ロシア機墜落、爆弾の「可能性高い」 米当局者

エジプト・シナイ半島で墜落したロシア旅客機の機体で作業を行うロシア当局の作業員ら。ロシア非常事態省が公開(2015年11月2日撮影、同3日公開)。(c)AFP/RUSSIA'S EMERGENCY MINISTRY〔AFPBB News

 10月31日、エジプトのシナイ半島南部にある国際的リゾート地・シャルムエルシェイクからロシアのサンクトペテルブルクに向かっていたロシアの航空会社コガリムアビアの9268便が、離陸から二十数分後、シナイ半島東部で墜落した。乗員乗客224人が全員死亡する大惨事になった。

急浮上したテロ説

 この件に関し、シナイ半島を拠点とするIS(イスラム国)系のイスラム過激派グループ「ISシナイ州」が同日、犯行声明を出した。

 タイミング的には、ロシアが9月30日にシリアで反体制派への空爆を開始したことに対し、ISがロシアへの報復テロを支持者に広く呼びかけたばかりのことだった。つまり、テロとしてもISには充分な動機があったわけである。

 しかし、その犯行声明には、犯行の証拠となる情報が含まれず、事故なのかテロなのかは当初、判然としなかった。仮にテロだったとしても、高度9000メートル上空の航空機を撃墜できる兵器をISシナイ州はまず保有しておらず、ミサイルによる撃墜説はほぼ考えられなかった。持ち込まれた爆弾による爆破の可能性はあったが、それを示す痕跡も見つかっていなかった。