科学や技術の観点から21世紀の国際社会を見渡してみると、世界の先進圏は圧倒的に欧米と白人社会に限定され、アジアやアフリカで明確に先進国と言える地域は極めて限られることが分かると思います。
もっとはっきり言えば、日本は異常な突出の仕方で優秀です。
日本の優秀さを考えるうえで、「中国や韓国を引き合いに出さなくてもいいだろう」というご意見をいただくことが少なくありません。私自身、一芸術家として文化外交にも関わりますし、中国や韓国の伝統に敬意や共感こそ感じても、嫌韓、嫌中といったことは全くありません。
そのうえで、でも、日本は圧倒的に中国や韓国より勝っています。もっと言うなら、ひらがなやカタカナの起源を考えれば明らかなように、中華帝国を中心とする東アジア文化圏のファミリーの一員でありながら、日本だげがなぜか本当に突出している。
その理由を冷静に分析してみること・・・ルーツが中国にありながら、中国本体はもとより韓国、朝鮮も西欧文明の正統な後継者とはいまだなり得ておらず、日本だけが先導的なリーダーとして国際社会を牽引している。
この事実とその背景は、中国や韓国を貶めるということではなく、冷静に考えてみる価値があると思うのです。
学問に対する取り組み方400年の違い
日本と中韓と、何が違うのか?
学問が、違うのです。で、その違いは50年とか100年ではすまない。
実はここ400年近くにわたって「学問」として認められてきたものの本質が、実は日本と中国・韓国とでは全く異なっている。
この400年来、東アジアで「学問」と言えば、儒学に決まっているでしょう。同じ儒学を学んでいるはずなのに、なぜ中韓と日本と「全く異なっている」のか?
キーワードがあります。「知行合一」です。
この言葉を遺したのは中国明代の儒学者、王陽明(1472-1529)、つまり「陽明学」と今日呼ばれる儒学を発展させたことが、日本の近代化を支えた根底にあるのです。