中国・人民元、国際金融市場で存在感増す

中国・人民元紙幣(2014年3月17日撮影)。(c)AFP/Peter PARKS〔AFPBB News

 世界経済のアキレス腱が中国であり、中国のアキレス腱が外貨事情と為替動向にあることは、9月以降のレポートで論述した。とすれば、直近の人民元の安定化は、中国と世界経済にとって、一安心できる事柄と言えるだろう。

人民元不安の鎮静化で国際金融市場は安定へ

 図表1に見るごとく、8月11日の人民元切り下げ以降急拡大していた人民元香港相場(オフショアレート)と中国国内相場(オンショアレート)の格差が急収縮している。中国政府による人民元相場死守の意図が、如実に市場に現われたものとみられる。

 特に9月以降、外貨予約取引(売り取引のみ)の制限、個人の外貨転換の制限など資本規制が強化され、投機的な人民元売りが著しく抑制されたとみられる。