「頼みの綱」を失う原油市場、30ドル割れの展開も?

中国は戦略石油備蓄の積み増しを続けられるのか

2015.09.29(火) 藤 和彦
    http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44859
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中国・人民元、国際金融市場で存在感増す

中国経済が1990年以来の低成長になり、原材料需要、原油需要が縮小している。中国の人民元紙幣(資料写真)。(c)AFP/Peter PARKS〔AFPBB News

8月24日に1バレル=37ドル台に下落した米WTI原油先物価格は、9月に入り同45ドルを中心とする値動きが続いている。方向感に欠ける原油相場は一進一退の展開が続いており、「ニュース主導型の市場となっている」(9月23日付ブルームバーグ)との見方もある。今回は、筆者が注目しているいくつかの動きについて述べてみたい。

原油需要が伸び悩む米国

 まずWTI市場に直接影響を与える米国の動きだが、9月18日、米国の石油リグ稼働数が3週連続で減少したことが明らかになり、これまで続いてきた減産の動きに拍車がかかるとの見方が広がった。

 米エネルギー省の予測によれば、来年半ばまでに国内生産量は最大10%(日量94万バレル)減少する可能性がある。9月23日に発表された週間統計でも米国の原油在庫は市場予想を下回り190万バレル減少したことが分かった。

 だが、このような需給状況の改善につながる動きにもかかわらず、原油価格は上昇しなかった。米国ではドライブシーズンが終わる秋以降のガソリンの不需要期に、製油所が整備点検を行うため原油需要が減少する。そのため、「原油在庫の減少は当面最後かもしれない」(9月23日付ブルームバーグ)と考える市場関係者が多かったからだ。

 季節要因に関係なく米国の原油需要が今後減少する兆候もある。米国の昨年の原油消費量は2003年に比べて5%減少した。その主要因は、国民1人当たりの自動車走行距離の減少だ。ガソリン価格の低下により今年5月に自動車走行距離は過去最高を記録したが、「傾向としては伸び悩み」(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)の状況である。

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経済産業研究所上席研究員。1960年、愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒。通商産業省(現・経済産業省)入省後、エネルギー・通商・中小企業振興政策など各分野に携わる。2003年に内閣官房に出向(エコノミック・インテリジェンス担当)。2016年から現職。著書に『日露エネルギー同盟』『シェール革命の正体 ロシアの天然ガスが日本を救う』ほか多数。

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