中国経済の「長征」で市場に原油が溢れかえる

このまま中国は長期の難局に、原油価格の反転は当面ない

2015.09.14(月) 藤 和彦
    http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44768
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天津爆発、死者129人に 依然44人が行方不明

天津港の爆発によって8月の中国の原油輸入量は大幅に減少した。爆発後の除染作業をする作業員(2015年8月20日撮影、資料写真)。(c)AFP〔AFPBB News

8月の中国の原油輸入量が大幅に減少した。中国税関総署によれば、8月の原油輸入量は日量629万バレル相当の2659万トンで、過去最高を記録した7月から13.4%の減少だった。

 6月、7月の原油の輸入量は、低油価を理由に政府が戦略石油備蓄を積み増したおかげで2カ月連続で大幅増であった。それが、なぜ8月は原油価格がさらに下落したにもかかわらず原油輸入量は大幅に減少したのだろうか。

 以前のレポートで筆者は「戦略石油備蓄基地がある天津港の大規模爆発事故により戦略石油備蓄積み増しにブレーキがかかる」と指摘したが、その予測が当たってしまったようだ。

 中国の原油需要が原油価格の動向に影響を与え始めているが、世界の原油の指標価格は米WTIと欧州ブレントが基になっているため、中国の動向が直接原油価格に反映することは少ない。しかし来月からはその構図が変わりそうだ。中国が国内の原油先物取引市場を外国人投資家に開放するからだ。

 9月4日付の英テレグラフ紙電子版は「中国のこの新しい原油先物取引が既存の世界指標の立場を脅かすのではないか」と指摘する。世界第2位の原油消費国の中国の原油先物市場が外国人投資家に開放されれば、世界の原油市場への中国の影響力が拡大することは間違いないだろう。

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経済産業研究所上席研究員。1960年、愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒。通商産業省(現・経済産業省)入省後、エネルギー・通商・中小企業振興政策など各分野に携わる。2003年に内閣官房に出向(エコノミック・インテリジェンス担当)。2016年から現職。著書に『日露エネルギー同盟』『シェール革命の正体 ロシアの天然ガスが日本を救う』ほか多数。

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