米共和党集会、トランプ氏招待取り消し 女性への不適切発言で

米オハイオ州クリーブランドで開かれた2016年米大統領選に向けた共和党候補の初の討論会に参加したドナルド・トランプ氏(2015年8月6日撮影)〔AFPBB News

 「米国はキャロライン・ケネディ氏を駐日大使として『使っている』が、彼女は大使の仕事をオファーされた時、信じられなかったんだ。(オバマ政権側が)『大使はいかがですか』と聞くと、『本当ですか?』ってね」

 米共和党から大統領選に出馬している不動産王ドナルド・トランプ氏は12日、ミシガン州で行った演説で、ケネディ氏を茶化した。

 話の趣旨は、ケネディ氏が大使として不適任ではないかという点と、任命された理由がバラク・オバマ大統領の2度の選挙で資金援助をしたからというものだった。

 ケネディ氏の擁護をするわけではないが、指摘された2点は新しい論点ではない。米政界ではすでに語り尽くされた感があるほどの話である。

メキシコ移民への止まらぬ誹謗中傷

 トランプ氏はそれを新しい話のように持ち出した。しかも個人攻撃である。ケネディ氏が大使に就任する前であれば理解できるが、日本に赴任してすでに2年が経つ。

 こうした言説にトランプ氏の粗雑で無骨な人柄が表れている。もちろんこれだけではない。6月16日に大統領選への出馬宣言をした時の発言からしてそうだった。

 「(米国への)移民たちはレイピストだ」

 暴言と呼んで差しつかえない言葉を吐いた。それでもトランプ氏は、共和党の主要17候補の中で今、支持率でトップを維持している。レイピスト発言の前後の脈絡を説明させていただくと、次のような流れでの言葉だった。

 「メキシコから流入する不法移民は多くの問題を抱えている。問題は、彼らが米国に来れば米国の問題になることだ。麻薬や犯罪がそうだ。移民はレイピストでもある。中にはいい人たちもいるだろうが・・・」