「米国はキャロライン・ケネディ氏を駐日大使として『使っている』が、彼女は大使の仕事をオファーされた時、信じられなかったんだ。(オバマ政権側が)『大使はいかがですか』と聞くと、『本当ですか?』ってね」
米共和党から大統領選に出馬している不動産王ドナルド・トランプ氏は12日、ミシガン州で行った演説で、ケネディ氏を茶化した。
話の趣旨は、ケネディ氏が大使として不適任ではないかという点と、任命された理由がバラク・オバマ大統領の2度の選挙で資金援助をしたからというものだった。
ケネディ氏の擁護をするわけではないが、指摘された2点は新しい論点ではない。米政界ではすでに語り尽くされた感があるほどの話である。
メキシコ移民への止まらぬ誹謗中傷
トランプ氏はそれを新しい話のように持ち出した。しかも個人攻撃である。ケネディ氏が大使に就任する前であれば理解できるが、日本に赴任してすでに2年が経つ。
こうした言説にトランプ氏の粗雑で無骨な人柄が表れている。もちろんこれだけではない。6月16日に大統領選への出馬宣言をした時の発言からしてそうだった。
「(米国への)移民たちはレイピストだ」
暴言と呼んで差しつかえない言葉を吐いた。それでもトランプ氏は、共和党の主要17候補の中で今、支持率でトップを維持している。レイピスト発言の前後の脈絡を説明させていただくと、次のような流れでの言葉だった。
「メキシコから流入する不法移民は多くの問題を抱えている。問題は、彼らが米国に来れば米国の問題になることだ。麻薬や犯罪がそうだ。移民はレイピストでもある。中にはいい人たちもいるだろうが・・・」