1億728万人。2040年に予想される日本の人口だ。2010年と比べると約2000万人の減少である。一方、65歳以上の高齢者の割合は36%と今から10%近く上昇する。こうした数字が示すように、日本社会の未来は厳しい状況に置かれている。
人口減少と少子高齢化が現状をさらに悪化させるという予測を踏まえ、安倍政権は「地方創生」を打ち出した。まち・ひと・しごと創生本部を中心に「人口ビジョン」「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定し、地方創生政策を強力に推進している。
東京一極集中という問題の解決のため、本社機能を地方に移した企業に対して税制優遇を行う「改正地域再生法」も先日成立した。
自治体は数々の「戦略」を策定してきたが・・・
一方、地方自治体では、国の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」をもとに総合戦略を策定することが努力目標になっている。
自治体は「地方版総合戦略」の策定に着手しているが、その策定を大手シンクタンクや地域の研究所などいわゆるコンサルタント業者に委託することがほとんどだ(企業相手のコンサルティング会社とは若干違った名前が連なる)。私が2年前まで所属していた業界(ここ10年間縮小傾向にあった)では、まさに今「コンサルバブル」が起きている。
(注:政府は自治体に、地域活性化と人口減少克服のための「地方版総合戦略」を2015年度中に策定するよう求めている。内容は、自治体が取り組む地方再生計画や長期的な人口目標など)