ドミトリー・メドベージェフ大統領が提唱するロシアのいわゆる「近代化」政策では、次の5つの分野がその推進の中核になるものとされている。

資源大国からハイテク大国への道

12年のロシア大統領選に不出馬を示唆、メドベージェフ大統領

ドミトリー・メドベージェフ大統領は今年8月、ウラジーミル・プーチン首相が2012年の大統領選に出馬するなら、自らは立候補しないことを明らかにした〔AFPBB News

(1)核エネルギー、(2)省エネ・エネルギー効率、(3)医療、(4)IT、(5)宇宙・通信

 資源の輸出に依存する今のロシア経済から脱却して、こうした先進分野が牽引する世界のハイテク国家の仲間入りを果たすことがその目標である。

 一方、ロシアと同じように、日本も今後の自国の成長政策を模索している。デフレ経済に分かれを告げることを目指して、今年の6月に政府は「新成長戦略」を閣議決定した。

 過去10年間で年率1%程度でしかない実質成長率を、今後速やかに2%以上に引き上げ、これを7つの戦略分野とそれに伴う21の国家戦略プロジェクトで成し遂げようというものである。

 選ばれた戦略分野とは、環境(グリーン・イノベーション)、健康(ライフ・イノベーション)、観光・地域、科学・技術・情報通信、雇用・人材、アジア、金融、であり、「戦略」はこれらで120兆円以上の需要と500万人の新たな雇用を創出することを目論んでいる。

ロシアから見た日本への期待

 こうした、時を同じくした日ロそれぞれの国家経済戦略案は、両国の経済関係発展にどう結びついてくれるのだろうか。日本からのロシアへの要望事項は多々あるが、今回はロシア側の希望から眺める形で考えてみたい。

 ロシアの狙いは明確だろう。資源以外で自国の売り物になる核技術や宇宙産業の応用拡大と、資源に取って代わらねばならない製造業を中心とした省エネ実現(価格競争力の向上)、通信を含むITでのハイテク製品生産、それに民生分野での医療水準向上である。

 その実現のために、ウラニウムの濃縮、原子力発電所、ロケットの打ち上げを外国へ売り込み、省エネ・ハイテク製品生産・医療(システムと機器)で外国からの資本と技術を導入しようとしている。

 後者では、単に輸入国に止まるのではなく、その結果がロシア国内に残る形、つまりロシア内での応用や生産(直接投資)が期待されている。