財務省から9月3日、4-6月期の法人企業統計調査が発表された。四半期ごとに行われているこの調査は、資本金1000万円以上の営利法人等について標本調査を行い、仮決算計数をまとめたもので、企業活動の概要を把握する上で有用な統計である。なお、今回は例年行われる標本の抽出替えの時期にあたっている。

(1)売上高、経常利益、人件費

 4-6月期の売上高は357兆9121億円。前年同期比は+20.3%で、2四半期連続の増収になった(全産業ベースで金融業・保険業を除く。特記ない限り以下すべて同じ)。

 また、4-6月期の経常利益は13兆2745億円。前年同期比は+83.4%で、3四半期連続の増益になった(図表1)。

 季節調整済前期比で見た場合、4-6月期は売上高、経常利益ともに増加が続いたものの、経常利益については今年に入ってから、はっきりと伸び率が鈍化している(図表2)。

 経常利益への寄与度を分解すると、4-6月期は前期に続いて売上高の増加が収益上積みに大きく寄与していたことが分かる(図表3)。4-6月期の上場企業決算では、大手半導体メーカーの売上高が過去最高を更新したほか、自動車メーカーでは新興国での売上高増加が円高の悪影響を上回ったケースがあった。なお、ここで言う固定費要因は、人件費、支払利息等、減価償却費の合計。変動費は、売上高から経常利益および上記固定費を差し引いた金額である。