先日、15年ぶりに日経平均が2万円を突破した。しかし実際に企業の業績が上向いているのかと言えば、決して株価のように順調な動きだとは言えない。円安の恩恵で海外進出している企業の業績が比較的順調なことから、大手企業を中心に業績が上向いているのであろう。実際の実力以上に株価だけが上がっているというのが正しい見方ではないか。現在の経済状況下で企業が業績を向上させるのは並大抵のことでは不可能だろう。

 一般的に売上を上げるには販売価格を下げる方法が有力だと思われる。価格を下げることで販売数量を増やし従来以上の売上を上げて利益を確保しようとする。その策だけでは本当に売上が上がるかどうか自信が持てないので経費の削減を行う。しかし、材料費を下げると品質が低下する恐れがある。光熱水費はそれほど下げることができない。その他の費用も下げることのできる範囲はすべて行ったとすれば、あとは人員削減しかない。だが人件費は経営者にとって最後の砦のようなもので、本来は守らなければならない経費である。そのため、そう簡単には削減はできない。

 このように今の企業はにっちもさっちもいかない厳しい状況下で経営を行っている。

弱点の補強、克服で業績は向上する

 そんな企業に、どうアドバイスするかは難しいところであるが、私はまず弱点の補強をするのがいちばん即効性があると指導している。

 よく人を指導するときに「短所を改善するよりも長所を伸ばし、叱るよりも褒めなさい」というが、それは人間を指導する際に効果が発揮されるのであって、企業の場合はそうとも言えないというのが私の主張である。いままで数百社の企業経営の改善に携わってきて、その体験を振り返ってみると、弱点の補強や克服によってほとんどの企業の業績が向上しているからだ。