ニューヨーク、ロンドン、シドニー、東京――、ゲーム盤には世界の都市名がずらりと並ぶ。「モノポリー」は20世紀にアメリカで誕生した不動産取引ゲームだが、21世紀の現実世界では、中国がモノポリーさながらの買収ゲームを展開している。
2014年、中国企業による海外投資は前年比14.1%増の1029億ドルとついに1000億ドルを突破した。海外投資が緒に就いた2000年には10億ドルだったが、この十数年で100倍に膨らんだことになる。
2000年以降、中国企業は世界各国で企業買収に乗り出しており、アメリカやオーストラリア、カナダなどで、油田、ガス田、鉱山のエネルギー資源関連や機械やハイテクなどの製造業に触手を伸ばした。
中国企業は日本企業にもM&Aを仕掛けた。印刷機メーカーであるアキヤマ印刷機製造の買収(2002年)を皮切りに、製薬、工作機械、太陽電池部材、金型などのメーカーを買収した。金型大手、オギハラの館林工場がBYDに、三洋電気の白物家電事業がハイアールに売却されたことは記憶に新しい。