イスラム過激派組織「イスラム国」が日本人2人を殺害し、日本もテロの恐怖と無縁ではなくなってきた。中国にとってもイスラム国は新たな脅威となっている。中国の西端、新疆ウイグル自治区にイスラム国の影が延びているのだ。
イスラム国は2万2000人余りの戦闘員を抱え、外国籍の戦闘員は5500人に及ぶとされている。その中には中国籍の戦闘員も存在する。そして、そのほとんどが新疆ウイグル自治区の少数民族であるウイグル人だと言われる。
彼らは、中国語で「東突分子」と称される過激派ウイグル人だ。「東突」とは「東トルキスタン・イスラム独立運動」「東トルキスタン解放組織」「東トルキスタン・ニュースセンター」などの組織の総称である。中国によるウイグル侵攻(1949年)、自治区成立(55年)を経て、多数のウイグル人がトルコなど諸外国に離散した。その後、この「東突」が、中国からの分離独立を海外から支援するようになった。