本記事はマネックス証券の米国株 MARKET PICK UP/中国株 MARKET PICK UPを転載したものです。本資料のご利用については、必ず記事末の「ご留意いただきたい事項」をお読みください。当該情報に基づく損害について株式会社日本ビジネスプレスは一切の責任を負いません。

先週の中国株式市場
―香港株、反落 欧米株安と中国の冴えない経済指標を受け投資家心理が悪化―


<先週の概況>

先週の中国株式市場は高安まちまちでした。ハンセン指数は前週比約3%超下落し、2万3,249ポイントで引けました。一方、上海総合指数は週間で小幅ながら上昇し、2,938ポイントとなっています。

先週のハンセン指数は、欧米連日の株安に加え、相次いて発表された中国の経済指標が総じて冴えなかったことも相場の重荷となりました。特に原油安でエネルギーの関連株の下げが目立ちました。


中国株式市場バリュエーション




業種別リターン



香港ハンセン指数採用銘柄 週間騰落率ランキング



<上昇>

原油安の恩恵を受けて、電能実業(パワー・アセッツ・ホールディングス)が3%を超える上昇となりました。国泰航空(キャセイパシフィック・エアウェイズ)も買われました。また、中国最大の原発建設・運営会社の中国広核電力(CGNパワー)が10日に香港のメーンボードに新規上場し、堅調に推移しました。

<下落>

一方、原油安を受けて、昆侖能源(クンルンエナジー)、中国海洋石油(CNOOC)、中国石油天然気(ペトロチャイナ)といったエネルギー株が大幅に下落し、相場を押し下げました。また、長江実業(集団)(チョンコン・ホールディングス)、中銀香港(BOCホンコンホールディングス)も売られました。

先週発表された主な経済指標

12月8日 中国貿易収支 11月 +5447億ドル 市場予想 +4395 億ドル、前回 +4541億ドル
輸出(前年比) 11月 +4.7% 市場予想 +8%、前回 +11.6%
輸入(前年比) 11月 -6.7% 市場予想 +3.8%、前回 +4.6%

11月の中国の輸出は前年比4.7%の増加と、8%増の市場予想を大幅に下回りました。また、11月の輸入も増加をみていた市場予想に届かず、前年比6.7%減と10月の4.6%から減少率が拡大しました。こうしたなか11月の貿易収支は5447億ドルの黒字となり、市場予想を上回りました。

輸出については、グラフ「中国輸出金額の推移 地域別 (2010年〜)」を見ると、11月の各地域向けの輸出の伸びは軒並み下落となりました。2010年年初を100とすれば、特にアジア(10月の218.6→11月の214.3)及び米国(10月の161.8→11月の153.6)向けの輸出の下落が目立ちました。

輸入については、11月の6.7%の減と前月より低下しました。前月に続き、主な原材料の輸入数量が増えたものの、鉄鉱石や原油をはじめ、原材料の輸入価格の低下する傾向が鮮明でした。



12月10日 生産者物価(PPI、前年比) 11月 -2.7% 市場予想 -2.4%、前回 -2.2%

11月の中国生産者物価指数(PPI)の前年比は前月の-2.2%から-2.7%に下げ幅が拡大し、市場予想の-2.4%減より悪化しました。また、中国PPIは33か月連続でマイナスとなりました。スチールや原油などの原材料価格が軟調に推移している限り、生産者物価のデフレーションは暫く続きそうです。




12月10日 消費者物価指数(CPI、前年比) 11月 +1.4% 市場予想 +1.6%、前回 +1.6%

11月の消費者物価指数(CPI)の前年比は 1.4%の上昇と、前月から低下し、2010年1月以来最低の水準に留まりました。食料CPIについて、前年比が2.3%の上昇となり、特に温かい天候による果物と野菜の供給が減らず、値上がりが上幅に留まりました。食料除くCPIについては、前年比が1%の上昇となり、特に旅行や燃料などの値下がりが物価の上昇を抑えていると考えられます。




12月12日 固定資産投資(前年比) 11月 +15.8% 市場予想 +15.8%、前回 +15.9%

11月の固定資産投資額は前年同期比15.8%増と、市場予想と一致し、前回の15.9%増から伸びが低下しました。内訳をみると、製造業投資が前月から横ばいとなったものの、不動産開発投資や建設業投資などは減速が続きました。



12月12日 鉱工業生産(前年比) 11月 +7.2% 市場予想 +7.5%、前回 +7.7%

11月の鉱工業生産は前年比7.2%増と、10月の7.7%増から低下し、市場予想に届きませんでした。これは中国国内の生産需給の弱含み傾向を示しています。



12月12日 マネーサプライM2(前年比) 11月 +12.3% 市場予想 +12.5%、前回 +12.6%

11月のマネーサプライM2は前年同期比12.3%増と、12.5%増の市場予想を下回りました。また、11月の新規人民元建て融資は8527億元と、6550億元の市場予想を大きく上回りました。さらに、総資金調達額(中国元)は11500億元増と、前月から大きく増加しました。全体的に見ると、マネーサプライM2の伸び率が低下し続きますが、クレジットの供給は増加する傾向が出てきたようです。



今後発表される主な経済指標

12月16日 HSBC中国製造業PMI 12月 市場予想 49.8 前月 50.0

12月のHSBC中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が日本時間16日に発表される予定です。
11月分のPMI速報値は香港株式市場が大きく下落するきっかけとなっただけに、12月分の発表にも大きな注目が集まります。
12月のHSBC中国製造業PMIは49.8が予想されています。


マーケットビュー
―ハンセン指数、中国の経済減速とIPOを背景に、軟調推移続くか―

先週のハンセン指数は、週間で大幅に下落しました。米国連日の株安に加え、相次いて発表された中国の経済指標が総じて冴えなかったことも相場の重荷となりました。特に火曜日に中国で短期借入のための社債担保の規制を厳格化したことによって成長が鈍化するとの見方から上海株が急落したことが嫌気され、ハンセン指数も一気に560ポイント下げました。また、原油安でエネルギーの関連株の軟調な推移も相場をより押し下げ、週間では3%を超える下落となりました。

今週のハンセン指数は引き続き軟調な推移が続きそうです。今週18日から中国で12企業の新規上場企業(IPO)の申請が始まることから、最大約3万億元(約57兆円)の資金が凍結され、需給が悪化す可能性がありそうです。加えて、さらに、テクニカルをみると先週のハンセン指数はサポートとなっていた200日移動平均線を割り込んでしましました。このように買い材料が見当らないことから今週は下値模索の展開となりそうです。こうしたなか目先は一部のテクニカル指標には売られすぎのサインもみられることから心理的な節目の2万3,000ポイント近辺で下げ渋るかどうかがまずはポイントで、下げ止まらないと10月の安値水準が意識されることにもなりそうです。

なお、今週は16日にHSBC中国製造業PMI及び17日に米連邦公開市場委員会の政策決定が発表され注目されます。

フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川(Tony Lin)

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