本記事はマネックス証券の米国株 MARKET PICK UP/中国株 MARKET PICK UPを転載したものです。本資料のご利用については、必ず記事末の「ご留意いただきたい事項」をお読みください。当該情報に基づく損害について株式会社日本ビジネスプレスは一切の責任を負いません。

先週の中国株式市場
―香港株、小幅ながら上昇 デモの収束と各国株高で地合いが改善―


<先週の概況>

先週の中国株式市場は上昇しました。ハンセン指数は前週比約0.06%上昇し、2万4, 002ポイントで引けました。また、上海総合指数は週間で1割近く上昇し、254ポイント高の2,937ポイントとなっています。

先週のハンセン指数は、月曜日に冴えない中国製造業PMIを受けて大幅に下げたものの、民主派デモが収束に向かうことに加え、上海株や米国株などが強気に推移したことから持ち直すと心理的な節目の2万4,000ポイントを回復しました。


中国株式市場バリュエーション




業種別リターン



香港ハンセン指数採用銘柄 週間騰落率ランキング



<上昇>

香港ハンセン指数構成銘柄のうち21銘柄が上昇し、2銘柄が変わらず、27銘柄が下落しました。中国人民銀行(中央銀行)による追加の金融緩和観測から交通銀行(バンク・オブ・コミュニケーションズ)をはじめ、中国銀行(バンクオブチャイナ)や中国工商銀行などの中国本土の銀行が大きく買われました。また、中国本土株を多く保有する中国平安保険集団(ピンアン・インシュランス)は、運用益の改善期待から週間で約12%高と急伸しました。

<下落>

一方、12月のマカオ賭博収入が前年同月に比べ低下する方向と伝わり、マカオカジノ運営の金沙中国(サンズ・チャイナ)と銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント)は週間で10%前後の下落となりました。また、中国インターネット大手の騰訊HD(テンセント)も4%近く下げました。

先週発表された主な経済指標

12月1日 中国製造業PMI 11月 50.3 市場予想 50.5 前月 50.8

日本時間12月1日10時ごろ発表された11月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.3と、前月から0.5ポイント低下し、50.5を見込んでいだ市場予想を下回りました。

規模別のPMIを見ると、各規模の企業PMI指数は軒並み前月より下落しました。大企業の製造業PMIは前月より0.3ポイント低下の51.6となりました。中企業の指数も前月と比べて0.7ポイント下落し、48.4となりました。小企業のPMI指数の悪化が続き、前月から0.9ポイント低下の47.6となりました。この結果を見ると、特に中小企業の回復の状況は依然厳しく(好不況の分かれ目である50を下回った)、政府による中小企業向けの刺激策が一段と追加される可能性もありそうです。

指数の内訳を見ると、11月の各構成指数も軒並み前月と比べて低下しました。新規受注は前月の51.6から50.9に下落したほか、生産は前月の53.1から52.5に低下しました。また、新規輸出受注(48.4)と輸入(47.3)も軟調となり、好不況の分かれ目である50を下回りました。

今後発表される主な経済指標

12月8日 中国貿易収支 11月 +5447億ドル 市場予想 +4395 億ドル、前回 +4541億ドル
    輸出(前年比) 11月 +4.7% 市場予想 +8%、前回 +11.6%
    輸入(前年比) 11月 -6.7% 市場予想 +3.8%、前回 +4.6%

11月の中国の輸出は前年比4.7%の増加と、8%増の市場予想を大幅に下回りました。また、11月の輸入も増加をみていた市場予想に届かず、前年比6.7%減と10月の4.6%から減少率が拡大しました。こうしたなか11月の貿易収支は5447億ドルの黒字となり、市場予想を上回りました。


12月10日 生産者物価(PPI、前年比) 11月 市場予想 -2.4%、前回 -2.2%

PPIの先行指標である中国製造業PMIの輸入価格指数をみると、前月の47.9から47.3まで低下し、一段と下落する傾向が鮮明でした。PPIの悪化は避けられなさそうで、11月のPPI は-2.4%にマイナス幅を拡大すると見込まれます。


12月10日 消費者物価指数(CPI、前年比) 11月 市場予想 +1.6%、前回 +1.6%

商務部が週間で発表した物価データをみると、11月の食料品のCPIが約0.4%下落したほか、原油安を受けて非食料品も弱含みとみられます。11月のCPIは前年比+1.6%の増加と予想しています。


12月10日〜15日 マネーサプライM2(前年比) 11月 市場予想 +12.5%、前回 +12.6%

11月の貿易収支は5447億ドル超の黒字となったほか、中国人民銀行(PBOC)の政策スタンスが変わらなかったことから、11月のマネーサプライM2(前年比)は前年比+12.5%と、前月から小幅に低下すると予想されています。


12月12日 固定資産投資(前年比) 11月 市場予想 +15.8%、前回 +15.9%

固定資産投資額は、農村部を除いた都市部の建築工事や設備工事費を集計したものです。特に不動産関連の固定資産投資額の減少傾向が継続する限り、製造業、建設業などの固定資産投資が堅調に推移しても全体の固定資産投資額は伸び悩む可能性が高いと思われます。11月の固定資産投資額は前年比15.8%増と見込まれています。


12月12日 鉱工業生産(前年比) 11月 市場予想 +7.5%、前回 +7.7%

11月中国製造業PMIは前月の50.8から50.3に低下したなか、内訳の生産指数は前月の53.1から52.5に下落しました。これらの先行指標から11月の鉱工業生産は7.5%と見込まれています。


マーケットビュー
―中央経済工作会議を迎えて、IPO開放された資金の支援で香港株が続伸か―

先週のハンセン指数は月曜日に冴えない中国製造業PMIを受けて、600ポイント余り下げる場面がありましたが、上海株や米国株などが連日で高値を更新する流れに加え、3日には香港の中心部占拠を主導していた代表らが警察に出頭し、民主派デモが収束に向かう見通しとなったことも相場に追い風となりました。また、欧州中央銀行(ECB)が来年年初に理事会で量的緩和策を検討するとの見通しが報じられたことを受けて、投資家のセンチメントが改善し、ハンセン指数は心理的な節目の2万4,000ポイントを回復しました。

今週のハンセン指数は堅調な推移となりそうです。先週末に発表された米国の非農業部門の雇用者数は前月から32万1000人増と市場予想を大きく上回ったことも好感されたほか、2015年中国経済の運営方針を決める中央経済工作会議が9日に開催されるため、政策発動への期待が相場の支援材料になりそうです。また、香港で先週から中国广核集団のIPOのため拘束され動きのとれなかった3,500億香港ドル(約5.5兆円)の資金の一部が火曜日に開放されることも相場の追い風となりそうです。こうしたなか、今週中にどこまで上値を伸ばせるのかポイントで、レンジの下限(200日移動平均)でサポートされ切り返してきたハンセン指数がレンジの上限を一気に抜けてくるかどうかが注目されます。なお、今週は中国の鉱工業生産や固定資産投資などの経済指標が発表され、注目されます。

フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川(Tony Lin)

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