ゲストに小笠原村村議会議員の一木(重夫)氏と米国政治学者で元大阪大学大学院准教授のロバート・エルドリッヂ氏を迎えた今回の『やすトラダムス』(11月23日放送/Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)。元衆議院議員の中山正暉氏と元産経新聞記者の今西和貴氏のナビゲートで東京・小笠原諸島沖で多発する中国漁船サンゴ密漁や沖縄問題などを取り上げた。

小笠原諸島には違法密漁を裁くための裁判所がない

中山(正暉) 今回は私と今西(和貴)さんが、お2人のゲスト、小笠原村村議会議員・一木(重夫)さんと元大阪大学大学院准教授のロバート・エルドリッヂさんにお話を伺います。

 まずは、東京都の小笠原諸島周辺で問題化している中国漁船によるサンゴ密漁に関して、一木さんの地元の反応をお聞かせください。

東京の南1000キロにある小笠原諸島(ウィキペディアより)

一木 我々が住む小笠原諸島沖では、中国漁船によるサンゴの違法採取が急増しており、その数は一時200隻を超えました。

 しかも、半数以上の中国漁船がAIS(自動船舶識別装置)を搭載し、日本の領海内で堂々と密漁を繰り返している。小笠原の村民は今、大きな不安に包まれています。

中山 韓国では、外国船舶が韓国の排他的経済水域(EEZ)内で違法操業を行う場合、拿捕(だほ)できると定めていますよね。日本では海上保安庁が領海内操業の疑いで中国人船長を逮捕しましたが、本来ならば我が国も拿捕するべきだと思います。

 中国の海洋進出には、日本の領海を占有しようとする政治的な意図が読み取れますが、エルドリッヂさんはどうご覧になっていますか。

エルドリッヂ 日本は世界と価値観を共有する国家ですから、「法の支配」や「海の自由と平和」といった普遍的価値の重要性を国際社会に訴えることが大切だと思います。

 というのは、日本近海で起きているこの問題は、日本のみならず世界にとっても共通かつ喫緊の課題だからです。

中山 東京都の舛添(要一)知事は、中国漁船サンゴ密漁問題を踏まえ、12月1日に小笠原村を視察すると発表しましたが、一木さんから舛添知事に伝えたいことはありますか。