米IDCが公表した最新のリポートによると、今年1年間におけるタブレット端末の世界出荷台数は2億3570万台となり、昨年に比べて7.2%の増加にとどまる見通しだ。
要因は買い替え周期の長期化
タブレット端末の昨年の前年比伸び率は52.5%と高い水準で推移していたが、今年は成長が大幅に減速するという。その主な要因は米アップルの「アイパッド(iPad)」。
IDCの推計によると、アイパッドの今年の出荷台数は6490万台で、昨年実績から12.7%減少する見通し。アイパッドの出荷台数は初めて年間を通して前年割れになるという。
IDCによると、アイパッドやアンドロイド搭載端末など、タブレット端末全体に言えることは、その買い替え周期が延びていること。
タブレットが市場投入された当初考えられていた買い替え周期はスマートフォンと同様の2~3年だった。だが、実際には多くの人が端末を3年以上持ち続けており、4年以上使い続ける人も少なくないという。
タブレット端末の買い替え周期は長期化する傾向にあり、それはスマートフォンの周期というよりも、パソコンの周期に近いとIDCは指摘している。
IDCはその理由として2つを挙げている。1つはソフトウエアが古い端末のサポートを続けていること。これはアイパッドで顕著だという。もう1つは、これまでパソコンやタブレットで行われていたことが、スマートフォンで代用されるようになってきたこと。
Windowsタブレット、本格普及に至らず
IDCは、基本ソフト(OS)に米マイクロソフトのウィンドウズを搭載している、キーボードの脱着が可能な端末もタブレット端末のカテゴリーに加えている。
同社によると、こうしたノートパソコンとしても使える1台2役の端末(2-in-1型)は、ここ最近目覚ましく進歩している。例えば、本体はより薄くなり、製品種は増え、価格も下がっている。ただ、2-in-1型にはこうした進展があるものの、まだ市場全体に占める比率が小さく、本格普及には至っていないという。