海外メディアの報道によると、韓国サムスン電子は、ベトナムでスマートフォンの工場を新たに建設する計画を立てているという。

狙いは生産拡大とコスト削減

サムスン電子、第3四半期の営業利益ほぼ6割減

AFPBB News

 同社は2009年からベトナムのバクニン省で携帯電話を製造している。今年7月には、子会社のサムスンディスプレイが同省でスマートフォンやタブレット向けディスプレイの工場を建設する認可を得た。

 また同社には、ハノイ近郊のタイグエン省の工業団地に20億ドルかけて建設したスマートフォン工場があり、こちらは今年3月に操業を開始したばかり。

 米ウォールストリート・ジャーナルや英ロイター通信によると、新たな工場はタイグエン省に建設する予定で、その投資額は最大30億ドルに上る。サムスンはすでに同省計画投資局に投資ライセンスの認可申請しており、現在最終承認を待っている段階という。

 同社がベトナムに新工場を建設する狙いは、生産能力の増強とコストの低減。ベトナム・タイグエン省の平均賃金は中国・北京の3分の1程度。同社はこうしてコスト削減し、新興国向け低価格スマートフォンの分野で巻き返しを図るという。

7~9月期、ITとモバイル事業が大幅減益

 同社が先頃発表した今年7~9月期の決算(PDF書類)は、売上高が47兆4500億ウォンで、1年前から20%減少した。営業利益は4兆600億ウォンで同60%減少。またスマートフォンを含むIM 部門(ITとモバイル通信)の営業利益は1兆7500億ウォン。こちらは1年前の6兆7000ウォンから74%減少した。

 同社は出荷台数ベースで世界最大のスマートフォンメーカー。だがここ最近、同社端末の台数は減少している。

 米IDCによると、7~9月期における世界スマートフォン市場のメーカー別出荷台数シェアは、サムスンが23.8%で首位を維持した。だがその台数は1年前から8.2減少。上位5社の中で前年割れとなったのは同社だけだった。