中国人民解放軍、外国メディアに基地内を公開

外国メディアに公開された人民解放軍の基地内〔AFPBB News

 長期にわたる中国の不透明な国防費の増大と軍備の増強に裏打ちされた西太平洋における中国の進出、生き残りをかける北朝鮮の傍若無人な行動は、東アジアのほかの国や地域、特に日本、台湾および韓国にとって死活的な安全保障環境を呈している。

 多くの日本国民、そしてその国民が選んだ政治家の多くは、日本の安全保障について無関心である。

 マニフェストだのアジェンダだの、聞こえの良い目先の利益には関心があるが、将来、国の主権と安全をいかに確保し、日本をどのような国家にしようとしているのかについて真剣な議論がない。

 中華思想を背景に力の及ぶところが国境線と考えている中国は、他国の領土を自国の領土とする国内法をまず制定し、力の空白地帯があれば軍事力を背景にその領土に中国領土としての既成事実を作る。

 このような国に対しては国家として常時必死に努力し、軍事的行動をも辞さない態度で臨まない限り主権は守れない。

 日本は、1274年および1281年に元の襲来を受けた。元寇である。強大な元に全世界が征服される中、日本はこの未曾有の国難に対して鎌倉武士を中心に一致団結、状況をよく分析し、準備態勢を整え、2度にわたる侵略を見事に排除した。

 時代は異なるがその根本に流れる国防への意識は、現代においても貴重な教訓を与えてやまない。

元寇の背景

チンギス汗(ウィキペディアより

 約800年あまり前、元の太祖チンギス汗は、東欧から東アジアに及ぶ一大帝国を築き上げた。

 遊牧民族であった蒙古は、過酷な自然環境と部族間の残忍な生存競争の中でさらに極端な特性を持つに至り、独特の価値観を形成した。

 他国への侵略に際し、国王などに書を送り、国王などの入朝、人質、物資等の供出、戸数の調査、軍役の負担などを要求した。

 要求が通ればさらに過大な要求を突きつけ、拒否された場合には軍隊よる殺戮・強襲により屈服させるというものであった。

 蒙古は、このような外交と侵略により帝国を拡大・発展させた。日本に対する侵略はその中の1コマである。