中国のスマートフォンメーカー、シャオミ(小米科技=Xiaomi)はインドに生産拠点を構えることを検討していると、米ウォールストリート・ジャーナルが報じている。

 同社はすでに専門家を雇い入れており、インドの規制などに関して調査をしている。今後半年かけて、同国に自前の工場を持つことがメリットになるのかどうかを検討し、最終結論を出すとしている。

7月にインド進出、すでに50万台以上を販売

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モバイル端末の展示会でスマートフォンを操作する人〔AFPBB News

 シャオミは今、急成長しているスマートフォンメーカー。英カナリスがまとめた中国市場のリポートによると、今年4~6月期におけるシャオミの中国出荷台数は前年同期比240%増の1500万台となり、韓国サムスン電子を抜き、初めて首位に浮上した。

 これに対し、サムスンは同15%減の1320万台で、2年半ぶりに2位に後退した。

 またこのあと、中国レノボ・グループ(聯想集団)、酷派(クールパッド)ブランドのユーロン(宇竜計算机通信科技)、中国ファーウェイ(華為技術)、米アップルなどと続いた。

 そのシャオミの強みは高性能、低価格の端末。ウォールストリート・ジャーナルの別の記事によると、その製造原価は販売価格とほぼ同じ。同社はモバイルアプリなどのサービスで利益を得るという戦略をとっている。

 その同社はこれまで自国市場だけで販売していたが、今年はシンガポールを手始めに本格的な海外進出を進めており、今後10カ国での展開を予定している。

 シャオミがインド市場に進出したのは7月。すでに同社は同国で50万台以上のスマートフォンを販売している。

 インドは携帯電話が年間2億台売れる、中国に次ぐ巨大市場。ただ、携帯電話の全販売台数に占めるスマートフォンの比率は2割程度にとどまっており、シャオミは同国スマートフォン市場の成長に期待しているという。

フラッシュセールでインドの消費者に訴求

 シャオミの販売戦略の特徴は、小売店舗を持たず、注文はインターネットのみで受け付けるというもの。販売店を通さず流通費などのコストを抑え、低価格化を実現している。