「中国人は革命好きだ。5000年の歴史の中で6539回の革命を起こしてきたが、最終的には鎮められた。“占中”(香港のデモ)も同じで、これがもたらす結果は後退でしかない。デモをやっても歴史は変わらないのだ」――。

 10月7日、英BBC(中国語オンライン版)は、清華大学法学院院長の王振民氏の特別寄稿を掲載した。同氏は全国香港・マカオ研究会の副会長でもある。A4サイズにして5ページにわたるそのメッセージは、中央政府を代弁する強気なものだが、語調はまるで香港の無邪気な大学生たちを諭すかのようでもあった。

民主化などあり得ないこと

 無邪気な学生たち――実は大陸の同世代の若者も、選挙制度の民主化を訴える香港の学生たちに同様のまなざしを向けている。

 さらには「無邪気」に加えて「幼稚すぎだろ」「笑わせる」とさえ言う者もいる。その理由は明確で、「中央政府がそんなことを認めるはずはない」と確信しているからだ。

 ご存じのように、香港の学生たちの主張は「真の普通選挙の実現」である。しかしそんな抗議活動を、若い上海人エリートたちは「馬鹿げたことを」程度にしか思っていない。

 あるビジネスパーソンは「民主化の要求に応えたら、いよいよ中央政府もおかしくなったと言わざるを得ない」と語る。別の上海在勤の会社員も「香港人は1人1票の直接選挙権と行政府長官の失職を要求しているが、中央政府がこれに応じれば人民を失望させることになる」とも言う。中国大陸の若い世代からすれば「民主化などあり得ないこと」なのだ。

 一方で、「今の大陸の若者は政治について冷めているし、思考能力も不足している」というコメントもある。確かに、中国大陸の多くの若者は「民主化」が理解できない。香港の学生の要求する「民主」というものが一体どういう価値なのか、考えたことすらないのが現実だろう。