2014年10月7日、サムスン電子が同年7~9月期の決算見通しを発表する。4~6月期に続いて大幅減益になるとの見通しが強まっている。サムスン電子と現代自動車の2社で全上場企業の利益の5割を占めるような「利益集中現象」はなくなるが、韓国経済を支えてきた看板企業の異変に、産業界では懸念の声が強まっている。

 「どこまで下がるのか・・・」

 韓国の産業界や証券市場では、7日に発表になるサムスン電子の決算見通しに注目が集中している。

どんどん下がる利益予想

 同社の営業利益は2013年7~9月期に10兆ウォン(1円=10ウォン)を超えたのがピークだった。2014年4~6月期には7兆ウォン強に落ち込み、「業績ショック」が証券市場を駆け巡った。

 このときは、「中国市場などでスマートフォンの在庫が急増した」ことなどが理由だとされ、「一時的な業績低迷で、回復は可能だ」という期待もあった。

 しかし、9月に入ると、「どうも深刻らしい」という見方がどんどん強まってきた。9月初めには、「7~9月期の営業利益は7兆ウォンを割り込む」という見方が出た。

 さらに9月後半になると、「6兆を割り込む」⇒「5兆ウォンも危ない」と変わり、10月に入ると「4兆ウォン確保が精一杯」という見通しに次々と下方修正されてきた。

 韓国の証券市場での事前予想は当たらないことが多い。いくつかの証券会社が悲観的な見通しを出したあとで、いい意味で「サプライズ」という業績だったことも何度もある。それでも、決算見通し発表直前の現時点では、悲観的な声一色になってきた。

 業績悪化説の最大の理由は、利益の7割を稼ぎ出してきたスマホ事業で、これまでのような勢いがなくなったことだ。