元米国務省日本部長のケビン・メア氏をゲストに迎えた今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(9月14日放送/Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)。
スコットランド独立問題を取り上げて沖縄問題を解説したほか、イスラム過激派組織「イスラム国」の勢力拡大によって緊張が高まる中東情勢などについて語った(今回は東京・渋谷マトリクススタジオからの出張放送)。
「沖縄の独立」はあり得るのか
中山 今回は、元米国務省日本部長のケビン・メアさんにお話を伺います。まずは欧州のニュースを取り上げます。
英国北部のスコットランドでは、今月18日に英国からの独立の賛否を問う住民投票が行われる予定で、投票日前の最後の週末を迎えた14日も各地で賛成派、反対派の双方が互いの主張を批判するなどして、投票へ向けた運動が一段と過熱しているそうです。
このスコットランド独立問題は、日本の琉球国(琉球王国)復活運動と共通する部分がありそうですが、琉球国復活運動についてどうお考えですか。
メア 私は在沖縄総領事を3年間務めたことがあるので、そこで得た知識や経験からお答えします。
確かに400年以上前は琉球王国が独立国家として存在しましたが、現在、沖縄の独立を心から望んでいる人は少ないのではないでしょうか。もし、本当に沖縄が独立したら中国が支配しようとするのは明らかで、非常に危険です。
沖縄史というのはとても複雑で、過去には不幸な歴史もありましたが、今沖縄は間違いなく戦略的に重要な位置にあり、自衛隊と在日米軍が守らなければ自衛は難しいと思います。
沖縄県内にある尖閣諸島を見ても、毎日のように中国の武装船に包囲されているのが現実です。歴史をめぐっては意見が分かれるのは当然ですが、沖縄が独立すべきだと考えている人がどれだけいるかは疑問です。
平和を維持するために抑止力を高める必要がある
中山 メアさんのご指摘の通り、沖縄の歴史を遡ると様々な出来事がありますが、それだけこの地が地政学的に要衝である証しなのだという気がします。
メア 歴史的に見ても沖縄の負担が重いのはよく理解していますし、私がかつて駐日米国大使館安全保障部副部長や沖縄総領事を務めた時も、米政府は米軍再編計画の中で沖縄の大規模な負担軽減策を打ち出しました。
安倍政権になってから普天間基地移設問題などが少しずつ進展を見せていますが、こうした負担軽減策をできるだけ早く実行すべきです。同時に、目の前には常に中国や北朝鮮の脅威が存在しますから、自衛隊と在日米軍の抑止力を十分に向上させる必要があり、全ての基地をなくすのは現実的ではありません。