通信機器大手の米モトローラがテレビ視聴の可能なタブレット端末を開発していると欧米のメディアが報じている。
英フィナンシャル・タイムズによると、ディスプレイの大きさは米アップルの「アイパッド(iPad)」とほぼ同じ10インチ。米グーグルが開発を主導するスマートフォン向け基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」を搭載し、この秋にも米国で発売する予定だと伝えている。
テレビで差異化を図るモトローラ
最大の特徴は、米国の通信大手ベライゾン・コミュニケーションズが提供する光デジタルテレビ放送「FiOS」が視聴できる点。テレビと組み合わせたタブレットは、アップルに限らずほかのメーカーに対しても競争力を持つと記事は伝えている。
本体はアイパッドよりも薄くて軽く、前面と背面のそれぞれにカメラが1つずつ付いている。1つは写真撮影用、1つはテレビ会議用とのことだ。また米アドビシステムズの「フラッシュ(Flash)」形式のビデオ映像に対応するなど、アイパッドとの違いを明確にしている。
モトローラはベライゾンと共同で販売戦略を展開する。ベライゾンが自社のテレビ放送サービスをモトローラ端末で展開することになるため、両社が協力していくということのようだ。これはコンテンツの確保を自前でやろうとするアップルの手法とは大きく異なるものだ。
アップル、映像コンテンツの確保に失敗
アップルはアイパッドの発売前に映像コンテンツの確保に奔走した。同社はテレビ番組のサブスクリプションサービス(定期購読)をアイパッド上で展開したかったが、その計画に興味を持つメディアは多くなかった。