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米アップルはタブレット端末「アイパッド（iPad）」を米国で4月3日に発売するが、その発売を目前にした今、同社はアイパッド向けコンテンツの獲得に奔走しているという。米ウォールストリート・ジャーナルが報じている。
アップルは米国で3月12日からアイパッドの事前予約を開始した。事情に詳しい関係者の話では、予約状況は順調で、受付を開始してから約1週間後の現在、既に数十万台の注文を受けている。この調子でいくと最初の3カ月の販売台数は、アイフォーン（iPhone）発売時の最初の3カ月を上回るという。
提携先はいまだ検討中、「既存のビジネスを脅かす」
ところがアップルは今、テレビ番組や、新聞などのコンテンツの品ぞろえに苦慮している。有力と考えていた提携先が、アップルに協力することで得られるメリットと、既存の収益源に対するリスクの狭間で揺れており、アップルは今も各社と交渉を続けている。
ウォールストリート・ジャーナルの記事によると、アップルは当初、テレビ番組コンテンツのサブスクリプションサービス（定期購読）を考えていたようだが、これに興味を持つメディアはそう多くはなかった。そこで同社は、番組コンテンツの値下げ交渉をすることにした。
音楽や映像コンテンツを販売している同社の「アイチューンズ・ストア（iTunes Store）」では現在、1話1.99ドルで標準画質の番組コンテンツを販売している。アップルはこれを99セントと1ドル以下で販売しようと狙っている。
しかし交渉は今も合意に至っていない。各社は価格下落が既存のビジネスを脅かすと懸念している。ケーブルテレビや衛星テレビの事業者から得られる数百億ドルというサブスクリプション収入が危険にさらされる恐れがあると考えているからだ。
アップルは新聞社や、雑誌、教科書の出版社と連携し、アイパッド向けコンテンツの開発を支援したいと考えているが、今のところはこちらは後回しになっていると記事は伝えている。
