本記事はマネックス証券の米国株 MARKET PICK UP/中国株 MARKET PICK UPを転載したものです。本資料のご利用については、必ず記事末の「ご留意いただきたい事項」をお読みください。当該情報に基づく損害について株式会社日本ビジネスプレスは一切の責任を負いません。

先週の中国株式市場
―地政学リスクへの懸念で香港株の上昇が一服、反発期待できるか―


<先週の概況>

先週の中国株式市場はまちまちでした。上海総合指数は前週比9.1ポイント(約0.42%)上昇し、2,194.43ポイントで終えました。一方、中東またウクライナの情勢が緊迫化する懸念で香港ハンセン指数は連日の上昇が一服し、週間で201ポイント(0.82%)安の24,331.41で引けました。

中国7月のCPI(2.3%増)とPPI(-0.9%)は市場予想と一致しました。貿易収支は473億ドルの黒字と、過去最高値を更新し、相場の買い材料になりました。


中国株式市場バリュエーション




業種別リターン



香港ハンセン指数採用銘柄 週間騰落率ランキング



<上昇>

香港ハンセン指数構成銘柄のうち、19銘柄は上昇、31銘柄は下落しました。騰訊(テンセン・ホールディングス)は政府がミニブログである「微博」(ウェイボー)に対する規制を受けて、一時5%近く下落した場面がありましたが、結局週間では1%余り上昇しました。また、中東情勢の緊迫化による原油供給不安が石油価格を押し上げるとの思惑から、中国海洋石油(CNOOC)が大きく買われました。

<下落>

一方、市場予想を下回る6月中間決算を発表した中国聯通(チャイナ・ユニコム)は週間で5%超の下落となりました。また、中国国内の汚職調査の影響で金沙中国 (サンズ・チャイナ)や銀河娯楽 (ギャラクシー・エンターテインメント・グループ)などのカジノ関連銘柄も軟調に推移しました。

先週発表された主な経済指標

8月8日 中国貿易収支 7月 +473億ドル 市場予想 +274 億ドル、前回 +315.6億ドル
     輸出(前年比) 7月 +14.5% 市場予想 +7.0%、前回 +7.2%
     輸入(前年比) 7月 -1.6% 市場予想 +2.6%、前回 +5.5%

8日に発表された7月中国の輸出は前月比14.5%の上昇と、市場予想を大きく上回りました。また、7月の輸入は6月の+5.5%から-1.6%に減少しました。よって貿易収支は大幅に市場予想を超えて473億ドルの黒字となり、過去最高値を更新しました。

輸出については、グラフ「中国輸出金額の推移 地域別 (2010年〜)」を見ると、6月各地域向けの輸出が軒並み大幅に増加したことが明らかになりました。2010年年初を100とすれば、特にアメリカ向け(6月の140.6→7月の154.8)及びアジア向け(6月の186.9→7月の199.8)の輸出の上昇が目立ちました。また、日本向けの輸出が4か月連続の減少から増加に転じたことも注目されます。

輸入では、輸入数量が上昇し、輸入価格が減少する傾向が続いてきました。税関のデータを見ると、鉄鉱石の輸入数量は18.1%増加した一方、平均価格は14.5%低下しました。また、銅の輸入数量は18.7%増加しましたが、平均価格は8.2%下落しました。




8月9日 生産者物価指数(PPI、前年比) 7月 -0.9% 市場予想 -0.9%、前回 -1.1%

7月の中国生産者物価指数(PPI)の前年比は市場予想の通り、前月の-1.1%から-0.9%に下げ幅が縮小しました。また、マイナス幅の縮小は 4カ月連続であり、中国国内需要の持ち直しと生産の拡大抑制を背景に、需給環境は緩やかながら改善方向にあります。

業種別の生産者物価の前月比を見ると、主な30業種の中で、17業種が上昇、13業種が下落しました。非鉄金属製錬や石油?ガス採掘価格などが上昇した一方、鉄系金属材料と非金属鉱物製品の価格が下落しました。

8月9日 消費者物価指数(CPI、前年比) 7月 +2.3% 市場予想 +2.3%、前回 +2.3%

7 月の消費者物価指数(CPI)の前年比は 2.3%増と、6 月から横ばいでした。前月よりサービス業価格の上昇が目立ちました。たとえば、飛行機チケットは前月と比べて12.5%上昇したほか、旅行代理店の販売価格も5.7%上昇しました。





今後発表される主な経済指標

8月10日〜15日 マネーサプライM2(前年比) 7月 市場予想 +14.4%、前回 +14.7%

7月の貿易収支は史上最高である473億ドルの黒字となったほか、中国人民銀行(PBOC)の為替の買入や公開市場での操作などから推測すると、7月のマネーサプライM2(前年比)が14.4%と、前月より増加率が縮小すると考えられます。


8月13日 固定資産投資(前年比) 7月 市場予想 +17.4%、前回 +17.3%

固定資産投資額は、農村部を除いた都市部の建築工事や設備工事費を集計したものです。6月の不動産関連の固定資産投資額は前月より減少した一方、製造業、建設業また鉄道向けの固定資産投資は堅調に推移しました。7月もこの傾向が継続し、固定資産投資額の伸びは17.4%増と見込まれています。

8月13日 小売売上高(前年比) 7月 市場予想 +12.5%、前回 +12.4%

7月の中国製造業PMIの雇用指数は48.6から48.3に減少したものの、第2四半期の有効求人倍率が1.11まで上昇してきて、2014年前半の1資本あたりの可処分所得(前年比)が8.3%増となりました。従って、7月の小売売上高(前年比)の市場予想は12.5%増となっています。

8月13日 鉱工業生産(前年比) 7月 市場予想 +9.1%、前回 +9.2%

7月中国製造業PMIは51.0から51.7に小幅に上昇し、特に内訳の生産指数は前月の53から54.2に上昇しました。これらの先行指標を参照すると、7月の鉱工業生産は9.1%増が予想されています。




マーケットビュー

先週7日にロシアの首相はウクライナ情勢をめぐる対ロシア制裁への報復として、制裁に加わった欧米などの国々の一部の農水産品を1年間、禁輸措置にすると発表しました。また、オバマ米大統領は同日に、イラクの過激派への限定的空爆を承認しました。これらの地政学リスクへの警戒感が一段と高まり、週後半でハンセン指数は売りが優勢となり、三週間連続の上昇が一服し、週間で201ポイント安となりました。

ただ、興味深いのは、先週末8日のハンセン指数は中東情勢の懸念でマイナス圏に沈んで取引を終了したものの、7月の中国の輸出が市場予想を大幅に上回ったことを受けて、一時的に100ポイント超まで上昇した場面が見られたことでしょう。これは中国国内良好なファンダメンタル面が相場を支える証明だと考えられます。

先週末の米国株式市場が反発したことに加え、地政学リスクがある程度後退し、今週にはハンセン指数も反発すると見込んでいます。また、7月の中国のマネーサプライM2や固定資産投資や鉱工業生産などの経済指標が発表される予定であり、騰訊(テンセン・ホールディングス)、聯想集団(レノボ・グループ)、中国移動(チャイナ・モバイル)と金沙中国(サンズチャイナ)等の大手企業の中間決算発表にも注目が集まりそうです。

フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川(Tony Lin)

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