本記事はマネックス証券の米国株 MARKET PICK UP/中国株 MARKET PICK UPを転載したものです。本資料のご利用については、必ず記事末の「ご留意いただきたい事項」をお読みください。当該情報に基づく損害について株式会社日本ビジネスプレスは一切の責任を負いません。

先週の中国株式市場
―8 連騰!製造業PMI の改善、戸籍改革と不動産の規制緩和を受け―


<先週の概況>

先週の中国株式市場は続伸しました。上海総合指数は前週比58.7ポイント(約2.76%)上昇し、2,185.3ポイントで終えました。香港ハンセン指数は8日連続で上昇し、前週比316.4ポイント(1.31%)高の24,532.43で引けました。

中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は51.7と、5か月連続で上昇したほか、戸籍改革や複数の都市の不動産購入規制緩和などが相場が一段高する材料になりました。


中国株式市場バリュエーション




業種別リターン



香港ハンセン指数採用銘柄 週間騰落率ランキング



<上昇>

香港ハンセン指数構成銘柄のうち、44銘柄は上昇、6銘柄は下落しました。銀行大手である交通銀行(バンクオブコミュニケーション)は大きく買われ、週間の騰落率がトップになりました。国有資本、集団資本、非公有資本が株を持ち合い、相互に融合し合う基本的経済制度である混合所有制をさらに進める上、一段の民間資本や外資受け入れにつながる可能性が好感されました。また、華潤置地(チャイナ・リソーシズ・ランド)は外資系のアナリストが株式を「イコール・ウェイト」から「オーバーウェイト」に格上げしたことから、買われました。

<下落>

一方、中国石油天然気(ペトロチャイナ)は「石油閥」の中心人物だった周永康・前党政治局常務委員の汚職調査を受けて、週間で6%超下げました。また、華潤電力控股(チャイナリソーシズ・パワー)はアナリストが株式を「買い」から「ホールド」に格下げしたことが嫌気され、売られました。

先週発表された主な経済指標

8月1日 中国製造業PMI 7月 51.7 市場予想 51.4 前月 51

日本時間8月1日10時ごろ発表された7月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は前月比0.3ポイント上昇の51.7と、前回の51から上昇し、市場予想の51.4を上回りました。政府発表の中国製造業PMIが5か月連続上昇し、HSBC中国製造業PMIとほぼ一致、中国製造業が緩やかに回復している傾向が明らかになってきています。

規模別のPMIを見ると、各規模の企業PMI指数は軒並み好不況の分かれ目である50を上回って上昇しました。大企業の製造業PMIは前月より1.1ポイント上昇の52.6となりました。中企業の指数も前月と比べて1ポイント上昇し、50.1となりました。また、小企業のPMI指数が2012年3月以来初めて50を上回りました。これはミニ刺激策が功を奏したと考えられます。

指数の内訳を見ると、7月の各構成指数の推移はまちまちでした。特に新規受注(52.8→53.6)及び生産(53→54.2)の増勢が鮮明だといえる一方、海外受注(50.3→50.8)が伸び悩んだことや、雇用(48.6→48.3)が小幅ながら再び悪化に転じたことに注意が必要でしょう。



今後発表される主な経済指標

8月8日 中国貿易収支 7月 市場予想 +260 億ドル、前回 +315.6 億ドル
輸出  7月 市場予想 +7.5%、前回 +7.2%
輸入  7月 市場予想 +2.5%、前回 +5.5%

中国の製造業PMI構成指数を見ると、海外受注指数が改善したこと受けて、輸出も小幅ながら上昇すると見込んでいます。一方、雇用指数が伸び悩んだことや汚職調査の影響で輸入が前月より低下するかもしれません。従って、先月と比べて貿易収支が少し減少し、260億ドルを予想しています。



マーケットビュー

先週のハンセン指数は先々週の上昇の勢いに続き、8日連続で上昇し、週間で2.76%上昇しました。ただ、冴えない香港の小売売上高や欧米株式市場の調整とともに、ハンセン指数の連日の上昇による短期的な過熱感が意識され、金曜日に一気に200ポイントを超えて下落しました。

香港金融管理局(HKMA)が香港ドル相場の上昇を受けて今月に入って17度目の香港ドル売り・米ドル買いの為替介入を実施したことから、海外資金が流入しつつあることが分かりました。また、先週には河北省石家荘市、浙江省杭州市、温州市、寧波市、山東省の靑島市、また江蘇省徐州市が住宅購入規制を緩和、あるいは解除しており、不動産関連の株が素直に好感されました。さらに、中国政府は30日に、「都市と農村の戸籍の統一」を目標に掲げ、「農業」「非農業」という戸籍の二元管理を撤廃する改革方針を発表しました。これらの資金面と政策面の好材料は相場の高値更新材料になりました。

一方、先週ダウ平均は連日で下落し、欧州の主な株式指数も調整ムードが出てきたようです。中国国内については、31日に発表された香港の小売売上高(前年比)は-6.9%と、市場予想を大きく下回りました。また、中国人民銀行(中央銀行)は31日、公開市場操作(オベ)で260億元の14日物レボ(買い戻し条件付き債券売却)の入札を実施し、差し引き110億元が市場から吸収されました。週間ベースでの資金吸収は12週ぶりです。加えて、金曜日に「12津天聯」という中小企業債券が実質的にデフォルトを起こしました。これらの悪材料を受けて、ハンセン指数の上昇が一服してもおかしくないと思われます。

今週の金曜日に7月の中国の貿易統計が発表される予定であり、また匯豐控股(HSBCホールディングス)や中国聯通(チャイナユニコム)などの企業の中間決算発表も注目が集まりそうです。さらに、先週末に中国とタイを結ぶ高速鉄道建設が認可されたことが伝わり、鉄道関連の株が物色されるかもしれません。

フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川(Tony Lin)

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