「アイフォーン(iPhone)」の製造を請け負うアジアの工場が、8月から「アイフォーン6」との名で噂されている新モデルの量産を始めると、米ウォールストリート・ジャーナルが報じている。
アイフォーン6については、画面サイズが現行モデルの4インチよりも大きな4.7インチモデルと、5.5インチモデルの2製品が登場するとの観測が出ている。
フォックスコンなどに最大8000万台を発注
また、英フィナンシャル・タイムズなどの海外メディアは先頃、台湾の経済日報(Economic Daily News)の記事を引用し、台湾ホンハイ(鴻海精密工業)傘下のフォックスコン(富士康科技)と、台湾ペガトロン(和碩聯合科技)が新型アイフォーンの製造を請け負うと伝えていた。
ウォールストリート・ジャーナルの今回の報道によると、フォックスコン、ペガトロンともに8月から4.7インチモデルの量産を開始する。また5.5インチモデルはフォックスコンが独占で製造を請け負い、9月に量産を始めるという。
興味深いのは、アップルがこれら製造業者に発注したアイフォーンの生産台数。アップルは今年12月30日までに両モデル合わせて、7000万台から8000万台を生産するよう指示したという。
アップルは昨年の同じ時期、アジアの工場にアイフォーン5sと同5cの製造を依頼したが、その時の発注台数は5000万~6000万台だった。今年は2000万台ほど多いが、それは今年1月からアイフォーンの取り扱いを始めた中国移動(チャイナ・モバイル)の需要を見込んでいるからだとウォールストリート・ジャーナルは伝えている。
高価価格アンドロイド端末の98%が5インチ以上
また中国などの新興国市場では、ファブレットと呼ばれる大きなスマートフォンが人気を集めており、アップルは新モデルでそうした顧客の需要に応えられると考えている。
これらの国で消費者が主に使うコンピューター機器は、パソコンではなくスマートフォンになっている。中国インターネット情報センター(中国互聯網絡信息中心、CNNIC)のリポート(PDF書類)によると、6月末時点の中国インターネット利用者数は6億3200万人。全体の83%に当たる5億2700万人がモバイル端末を使ってインターネットにアクセスしており、パソコン経由のインターネット利用者数、5億1200万人(81%)を上回った。