米アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)と、中国移動(チャイナ・モバイル)の奚国華(シー・グオホア)会長がとともに海外メディアの取材に応じ、今後の意気込みについて語った。
そのうちの1つは、米経済専門テレビ局CNBCのインタビュー。CNBCはその映像を公開している。また米フォーブスはこの時の会話を文章にし、ウェブサイトに掲載している。
「両社の協力関係は長期にわたるもの」
クックCEOによると、中国移動が1月17日からアイフォーン(iPhone)の販売を始めることは「重大な分岐点」だという。「アップルと中国移動の協力関係は今後長期にわたって続くもので、中国移動版アイフォーンの発売はその重要な第一歩」と同氏は話している。
一方で、米ウォールストリート・ジャーナルは、クックCEOが中国移動との提携を拡大することを示唆したと伝えている。
「我々はこれまでの協議で関係を発展させることができた。今ではお互いのことを理解しており、将来両社が共同でできることはもっとある」と同氏は述べている。
また中国移動の奚会長も、「両社の提携は、スマートフォン端末に関する協力関係を超え、広範なものになる」と述べている。
インタビューで両氏は具体的な計画については明らかにしていない。だが、7億6000万人の加入者を持つ中国移動はアップルにとって重要な提携相手であり、中国移動にとってもブランド力の高いアップルの製品は魅力的。今後の提携内容がアイフォーン以外の製品や、新たに市場投入される製品へと拡大してもおかしくないと各メディアは伝えている。
「結婚までに6年かかった」
なお、今回のインタビューで、両社の提携が過去6年に及ぶ協議の結果であることが明らかになった。両社の協議は、アップルでは故スティーブ・ジョブズ前CEO時代に、中国移動では王建宙前会長時代に始まったという。
奚会長によると、当初は技術的な課題と商業的な課題があり、話し合いは遅々として進まなかったという。奚会長はこれまでの両社の関係について恋人同士が結婚に至るまでの過程に例えて、「時には仲たがいもあった」と振り返っている。