米ウォールストリート・ジャーナルの報道によると、米アップル製品の組み立てを請け負う中国・富士康科技(フォックスコン)は先週、中国最大の携帯電話会社、中国移動(チャイナ・モバイル)に向けて140万台の「アイフォーン(iPhone)5s」を出荷したという。
この初回出荷分は、中国移動がこの1月に販売するアイフォーン5sの合計台数を示すものではなく、同社はさらに多くを販売する可能性があるという。
「100万台、あるいはそれ以上という数は、キャリア1社に向けた1カ月当たりの出荷台数としては相当なもの」と事情に詳しい関係者は話している。
中国では加入者数で第2位の中国聯通(チャイナ・ユニコム)が2009年から、第3位の中国電信(チャイナ・テレコム)が2012年からアイフォーンを販売している。一方で、7億6000万人超の加入者を持つ最大手の中国移動はこれまでアイフォーンを取り扱ってこなかった。
そうした中、アップルは昨年12月、中国移動と契約したことを発表。中国移動は年末からウェブサイトと電話でアイフォーンの予約注文を開始した。そして今週17日から、同社の通信ネットワークに対応したアイフォーン5sと同5cが販売される。
「5s」の生産、急ピッチで拡大
報道によると、アップルは当初、下位モデルの5cの方が、上位モデルの5sよりも売れると見込んでいた。だが、消費者が注目したのは指紋認証機能などの最新技術を備えた5s。このためアップルの米国や中国のオンラインストアでは当初5sの出荷時期が「2~3週間」となっていた。
アップルはこの状況を打開するため、アジアの製造工場に5cの生産を減らすよう依頼、その一方で、前述のフォックスコンには5sの増産を指示した。
ウォールストリート・ジャーナルの別の記事によると、それ以降フォックスコンでは生産ラインを拡大し、24時間体制で稼働を続けている。