海外メディアの報道によると、中国は政府機関が利用するコンピュータについて、米マイクロソフトの最新基本ソフト(OS)「ウィンドウズ8」を搭載する機器の購入を禁止したという。
中国の中央政府調達センター(採購中心)が5月16日付でウェブサイトに掲載した通達で明らかになった。そこには「中央政府が購入する、デスクトップパソコン、ノートパソコン、タブレットPCのすべてには、ウィンドウズ8以外のOSがインストールされなければならない」とある。
摩訶不思議な中国当局の禁止令
この「ウィンドウズ8禁止令」は省エネ製品の購入に関する規定として通達されたという。
また中国国営の新華社は、マイクロソフトが「ウィンドウズXP」のサポートを終了したことを受けた、セキュリティの確保を目的とした措置だと伝えている。
ただ英ロイター通信はこれについて、ウィンドウズ8が省エネ製品の規定とどう関係するのか、同OSの禁止とセキュリティの確保がどうつながるのか不明だと指摘している。
また米ウォールストリート・ジャーナルは、「ウィンドウズ7」などほかのOSが許されるのかについての言及はなく、不可解な点があると報じている。
この通達はマイクロソフトにとっても突然のことで、同社は困惑しているという。ロイターはマイクロソフトが次のようなコメントを出したと伝えている。
「ウィンドウズ8が言及されたことに驚いている。当社は中央政府調達センターなどの政府機関と連携し、製品やサービスが基準に合うよう努めてきた。今後もウィンドウズ7の供給を続け、同時にウィンドウズ8の審査についても関係機関と連携していく」