増えるエネルギーの選択肢

安定供給/効率化を実現する未来のエネルギー構造を探る

2014.04.30(水) JBpress
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 小水力発電は大きな可能性を秘めた発電ですが、水道用水と農業用水といった区分けがあり、推進のためには規制緩和が必要になります。バイオマスは物流コストが高く、普及のためには需給の緻密なマッチングが必要でしょう」

コージェネレーションの可能性

 ここまで何度か名前のあがった「コージェネレーション=コージェネ」とは、内燃機関・外燃機関等の排熱を利用して動力・温熱・冷熱を取り出し、総合エネルギー効率を高める、新しいエネルギー供給システムのことである。従来は大規模な事業所がメインに行われてきたが、最近は都市ガスや燃料電池を利用した家庭用のコージェネ、エコウィルやエネファームなども登場している。

 「2010年の時点でコージェネの発電量は全体の3%です。先ほども話をしたように、将来的にはこの数字を引き上げる必要がある。そのために重要なのは制度づくり。コージェネで余った電力を買い取るシステムの拡充などがカギになります。また、これまでコージェネを行ってきた大規模な工場地帯や高層ビル地帯だけで、数字を引き上げるのは難しい。これからは小規模なビルや、マンション、一軒一軒の家庭、都市ガスだけでなくLPガスも含めて、考えていく必要があるでしょう」

 国民の意識改革が必要なのと同様に、電力会社等の意識改革も進めなければいけない。

 「これまで電力は電力会社から一方的に供給されるものでした。3.11までは、どれだけ原子力発電所を持っているかで電力会社の株価が決まっていたといっても過言ではない。これからは、原子力、火力、水力、再生エネルギー、そしてコージェネ。多種多用な電力をいかに系統運用するかにかかってきます。そして送電線の問題です。FIT(電力固定買取制度)が導入され、太陽光発電業者などが増えましたが、電力を送る送電線網が整備されていない。ソフトバンクの孫正義氏が休耕田にメガソーラーを設置するプロジェクトを提唱しましたが、これも送電線の問題があって進んでいないようです」

 新しいエネルギー基本計画が提唱されたが、日本のエネルギー問題はそう簡単に解決するような局面ではない。個々の事象が複雑にからみあって、身動きが取りづらくなっている。

 しかしこのままでは、将来的に問題が大きくなるのも間違いない。今、もっとも必要とされているのは、将来のビジョン。そして、政府、企業、国民の、エネルギーに対する正しい理解と、意識改革なのかもしれない。

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