通信衛星がとらえていた信号の詳細な分析から、インド洋南部で墜落したと結論されたマレーシア航空370便。しかし、まだまだ不明な点は多い。中でも最大の謎は、「同便で何が起きたのか?」ということだ。
現時点では、それを解明する情報が少なすぎるため、どんな仮説も否定することはできない。だが、これまで分かった情報から、偶然性の確率などを比較し、可能性の順位を考えることはできる。あくまで仮説の順位ではあるが、以下、それを考えてみたい。
「インド洋南部で墜落」という分析は妥当
まず、情報がいろいろ錯綜しているので、情報の確度に順位付けをしてみよう。
第一に、100%確実な情報は以下だ。
・3月8日0時41分、出発。
・1時7分、ACARS(航空通信システム)の最後の機体情報信号を送信。このとき異常はなかった。
・1時19分、管制官と最後の無線交信。異常なし。
・1時21分、トランスポンダー(管制当局と交信する飛行情報の信号)が切れる。このときの位置はマレーシア~ベトナム間の海域上空。
・1時37分、予定されたACARS交信はなかった。
次に、かなりの確度で事実と判断された情報は以下。
・トランスポンダー信号消失直後、機体は急旋回し、西に針路を変更。
・高度も1万700メートルから3700メートルに降下。
・マレー半島を東から西に横断し、マラッカ海峡付近を飛行。2時15分にレーダーから消える。
(以上はマレーシアの防空レーダー情報)