1981年以来、日本人の死因のトップは「がん」。一生のうちに男性では2人に1人、女性では3人に1人の割合でがんにかかっており、今や「国民病」とも言える病だ。
子宮頸がんは、現時点で、唯一、ワクチンによる予防が可能で、子宮がん検診と組み合わせることでほぼ100%根絶することができるがんだ。そのゴールが見えているのに、なぜか、まっすぐにゴールを目指せない日本。そして、そこには、子宮頸がんに限らず、日本の医療の問題が見えてくる。
「子宮頸がん征圧をめざす専門家会議」の実行委員として、ワクチンの普及活動に取り組む自治医科大学の鈴木光明教授は、「参院選では与野党の主要政党が共通して子宮頸がんの対策の充実をマニフェストに掲げた。2011年度予算に盛り込めるかどうか、各党の本気度、日本の本気度が問われている」と言う。
主要政党が軒並み子宮頸がん対策盛り込む
自治医科大学 鈴木光明教授子宮頸がんは、子宮の入り口付近にできるがんで、最近、20~30代の女性に増えている。細胞のがん化を引き起こすヒトパピローマウイルス(HPV)は性行為によって感染、ほとんどのケースは免疫作用により自然消滅するが、感染が長期化すると、子宮頸がんを発症することがある。
HPVには女性の8割が一生に1度は感染すると言われ、子宮頸がんは、女性なら誰もがなり得る病気なのだ。しかも、発病初期には自覚症状がないため、異変に気付いた時には病状が進行していることがクセモノだ。
HPVウイルスには100種類以上の型があるが、ワクチンは子宮頸がんの原因の約7割を占める16型と18型に効果がある。万が一、他の型のウイルスに感染しても、1~2年に1回の割合で子宮がん検診を受けていれば、細胞ががん化する前の「前がん」段階で発見することができ、その後の妊娠・出産も可能だ。
ただ、ワクチン普及の障害となっているのが、価格の高さだ。効果を確実にするためには、半年の間に3回の接種が必要で、総費用は4万~5万円程度になる。ワクチンは性交体験前の10代前半で接種するのが効果的なのだが、その世代の子どものいる家庭にとっては、一瞬、躊躇する額だろう。
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