米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(6月22、23日開催分)が、7月14日に公表された。この時のFOMC声明文の内容やその後の当局者発言などから十分推測できたことだが、FOMCが景気・物価の下振れリスクについて警戒姿勢を強めたことが確認された。また、議事録と同時に公表された最新の米連邦準備理事会(FRB)理事・地区連銀総裁による経済見通しでは、実質GDPやコアPCE(個人消費支出)デフレーターの数字が小幅下方修正されており、米国の利上げが遠のいたことも一層明確になった。14日の市場取引で米国債利回りが低下に転じたのは、きわめて自然な動きである。

 今回の議事録には、FOMC参加者による物価動向に関する討議の部分に、次のような記述がある。

「何人かの参加者は、すでに経済に広がっている大幅な資源利用率の緩み(スラック)や、実体経済の見通しにまつわる顕著なダウンサイドリスク、インフレ期待が現実の低いインフレ率に反応する形で低下し始める可能性に照らして、特に近い時期について、インフレ見通しにまつわるリスクがダウンサイドに傾いている、という認識を表明した」

「少数の参加者はデフレのリスクがいくらかあることに言及した(A few participants cited some risk of deflation.)」