北林 この中では、私だけ農林中金から社会人スタートなんですね。

では、私から入庫のきっかけをお話ししましょう。
学生時代の話になります。スキューバダイビングを趣味にしていたのですが、離島に渡る際に漁協の方に船を出してもらったり、土地の情報を農協の方から教えてもらったり、ずいぶんお世話になりました。

それまで農協や漁協の存在も知らなかったのですが、農漁業はもとより、地域全体を支えていらっしゃるのを目の当たりにして、こんな人たちもいるんだなぁ、と。国の基幹産業と地域の発展に貢献する仕事をしたいと考えるようになりました。当初から金融を志向したわけではありませんが、やりたいことを突き詰めた結果の就職でしたね。皆さんはいかがですか?

 私は、不動産に興味があり、新卒では日系信託銀行に入行しました。その後、外資系銀行2行の外国為替部門を経験しましたが、リーマン・ショックなどに遭遇して、プロフィットの追求が世の中の役に立っているのか、どうにも疑問を拭えなくなりました。
24時間休まないマーケットで、身を粉にしていてもなお、充実感に乏しいというか…。何より、もう少し視野を広げて日本の発展のために働きたいという気持ちが強くなったことで、マーケットで巨大なプレゼンスのある農林中金の存在がクローズアップされました。

大谷 プレゼンスを意識した点は、私も似ています。学生の頃から人の相談に乗るような仕事に就きたいという思いがあって、メガバンクに入行しました。鹿児島での勤務で、農林水産業を担当したことがありました。成熟した銀行業務の中でも、第一次産業は未踏の分野。ある案件で競合したとき、お客様により有利な条件を提示したのが農林中金だったんです。そのスタンスには目からうろこが落ちる思いで、自分もこの分野で仕事をしたいと切実に思いました。

内海 私の場合、勤めていた金融機関が経営破たんしてしまったのですが、破たんの前後、私は資金調達の仕事を担っていました。苦しい資金繰りを支えるため、いくつもの金融機関を回りましたが、金融機関によっては、破たん後は態度がにわかに横柄になったりすることもありました。

破たんの厳しさやみじめさを否応なく味わわされたものです。そんななか、お取引先の金融機関で唯一、破たん後も従前と変わらず紳士的に接してくれたのが農林中金の方々でした。人間としてすばらしいと心から思いました。だから、次に働くならここでと決めたんです。
 

「上意下達ではなく、価値観を共有してフラットにつながる組織」

北林 私は省庁や外国銀行への出向、MBA留学などを通じて、外から農林中金を見てきたつもりです。でも、他の金融機関をよくご存知の皆さんの方が、農林中金のカルチャーについていろいろ感じているのでは? 
外からは見えにくい組織だと思いますが、内側から見た印象はどうなんでしょう?

 穏やかな人が多いですよね。

内海 職員の数が多いわけではないので、組織全体が知り合いというか、名前を言えばそれが誰か分かるといった感じですね。これも良し悪しだとは思いますが(笑)

北林 確かに、言葉を尽くさなくてもお互いに分かり合えるような気楽さは感じますね。

 個人で勝負する外資系とは違って、チーム力重視の総力戦といった面があるので、あうんの呼吸で動くことが必要にも感じます。

北林 大谷さんはどのような印象でしたか?

大谷 なんだか親戚づきあいのような…(笑)。
メガバンクではピラミッド的な意思統一というか、トップダウンの意思決定が徹底していますが、農林中金はかなり社風が異なりますよね。価値観を共有できる人々がフラットにつながっていると言えばいいでしょうか。有事にあって助け合う体制ができている感じです。

内海 あと、最初に印象的だったのは上司を「○○さん」でなく「○○部長代理」と肩書で呼ぶところですかね。後輩に相談される時も何だか改まってしまいますよね(笑)


林 
私の場合、逆に上司から「林さん」と敬称付きで呼ばれて、かなりのカルチャーショックを受けましたけどね(笑)そんな経験は今までなかった…。

内海 社内文書の表現もまじめというか…、本店からの指示文書の「○○されたい。」といった表現は独特ですよね。

北林 他ではそういう言い回しはしないのですか?

内海、大谷、林 しないですよ(笑)

 ただ、仕事の基盤となるルールを変えることよりも、共有できている部分を大切にして中身に集中する方が、ムダがないかな・・とも思います。

大谷 見方を変えれば、面倒なルールも覚えてしまえば効率的になるという側面があるかもしれませんね。