本記事は1月15日付フィスコ企業調査レポート(インタースペース)を転載したものです。
執筆 客員アナリスト 
佐藤 譲
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アフィリエイト市場の拡大見通しが成長余力に

 アフィリエイト広告大手で、金融・オンラインゲーム業界カテゴリー向けに強みを持つ。ゲームアプリ、メディア事業を強化しているほか、海外では中国に続きインドネシア、タイに現地法人を設立した。

 2013年9月期の連結業績は、売上高が前期比22.7%増の15,182百万円、営業利益が同5.4%増の592百万円となった。金融、ゲーム業界向けを中心に主力のアフィリエイト広告が好調に推移したのが要因だ。営業利益は売上構成の変化によって伸び悩んだ格好だが、2期連続で最高益を更新した。

 2014年9月期は、売上高が前期比8.7%増、営業利益が同8.5%増と増収増益基調が続く見通し。アフィリエイト広告が引き続き収益を牽引する。また、今期は各事業において更なる成長拡大を実現するための、基盤作りを進める年となりそうだ。インターネット広告事業ではスマートフォン向けの販売強化を進めるほか、O2Oマーケティング領域への展開も進めていく。

 メディア運営事業では「ママスタジアム」に続く新たなバーティカルメディアの開発に取り組む。さらに海外事業においてはタイやインドネシアでインターネット広告事業を立ち上げるべく、営業ネットワークの構築、顧客開拓を進めていく計画となっている。

 成果報酬型のアフィリエイト広告は、広告主にとって費用対効果という面において、最適な広告手法であり、今後も国内市場での順調な拡大が見込まれる。国内アフィリエイト事業の拡大に加えて、メディア運営事業の収益改善やアジア圏での事業展開が成功すれば、成長ポテンシャルも一段と高まってくるものと予想される。

Check Point

●2013年9月期は広告収入の伸長で過去最高益を更新
●アフィリエイト販売強化などにより今期も増収増益を維持へ
●新サービスの足掛かりとして米社などと資本業務提携

事業概要

アフィリエイトを中心としたネット広告事業が収益の柱

 同社の事業はアフィリエイト広告を中心とするインターネット広告事業とメディア運営事業とに分けられる。直近5期間の売上高及び営業利益の推移を見ると、売上高ではインターネット広告事業が全体の9割超を占め、また、営業利益ではメディア運営事業の赤字をインターネット広告事業が吸収する構図が続いている。インターネット広告事業が同社の収益の柱となっている。

 グループ子会社は7社で、ソーシャルゲーム開発のmore games(モアゲームズ)、アフィリエイト広告事業を行う電脳広告社、その他事業を展開するCiagram(シアグラム)とインタースペースグローバルのほか、中国、インドネシア、タイにインターネット広告事業を手掛ける海外子会社をそれぞれ設立している(海外子会社は2013年9月期まで非連結子会社)。