機は熟した、
サハリンの天然ガスをパイプライン輸送せよ

シェールガスに代わる日本の切り札

2014.01.31(金) 藤 和彦
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「貿易立国の原点が揺らいでいる」

 甘利明経済再生大臣は2014年1月14日閣議後の記者会見で、火力発電所の燃料となる液化天然ガス(LNG)などの輸入が急増し、2013年11月の輸入額が前年比22.1%増(1兆2461億円)となった事態に危機感を示した。

 福島第一原子力発電所事故以降、日本の電源構成は激変している。

 2010年度は原子力が29%、LNG(Liquefied Natural Gas:液化天然ガス=メタンを主成分とするガスを約マイナス160度まで冷却し液化したもの)が29%の割合だったが、原発事故以降、LNGが急増し、2012年度はLNGが43%、原子力は2%となった。各電力会社は、従来の稼働率が50%程度しかなかったLNG火力発電をフル稼働させることで電力不足を乗り切ろうとしている。

 機動力に優れたLNG発電の特性が注目され、原子力に代わりLNGが主要な燃料源となりつつあるが、これほどの力量がある天然ガスがなぜこれまで主役になれなかったのだろうか。

パイプライン整備が遅れている日本

 その要因は、欧米地域のようにパイプラインガス輸送という選択肢がなかったため輸入のほぼ100%がLNGであることから、天然ガス価格が国際的に割高であったことにある。

 液化・海上輸送・気化に多額の費用を要するLNGは、パイプラインによる生ガス輸送に比べてコストが高い。そのため世界の天然ガスの9割以上はパイプラインを使って輸送されている。パイプライン方式は地上であれば4000キロメートル以内、海底で1000キロメートル以内であれば、LNGに比べてコストが低く抑えられる。

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経済産業研究所上席研究員。1960年、愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒。通商産業省(現・経済産業省)入省後、エネルギー・通商・中小企業振興政策など各分野に携わる。2003年に内閣官房に出向(エコノミック・インテリジェンス担当)。2016年から現職。著書に『日露エネルギー同盟』『シェール革命の正体 ロシアの天然ガスが日本を救う』ほか多数。

エネルギー戦略

20世紀の社会を築き、支えてきた石油。しかし世界的な環境意識の高まりの中で、石油依存社会の限界が明らかになりつつある。石油はいまどうなっているのか。石油社会の次を築き、新世紀を切り開くイノベーションは何か。その最先端の姿をリポートする。

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