米IBMが低価格サーバー事業の売却を検討していると海外メディアが報じている。この事業の買収に興味を示している企業は、中国レノボ・グループ(聯想集団)や米デルなど。英フィナンシャル・タイムズは数週間のうちに買収提案が出される可能性があると伝えている。
IBMがこの事業の売却について検討したのは初めてではない。
実は昨年の4月に同社とレノボが協議をしているとの報道があった。同事業の資産価値は25億~45億ドルと見られていたが、レノボの提示価格はこれを下回り、結局両社の交渉は決裂したと米ウォールストリート・ジャーナルは伝えている。
利益率の低いx86サーバー
報道によると、IBMが売却を検討している事業は、米インテルが開発した基本設計「x86」を採用したマイクロプロセッサーを搭載するサーバー。この種のサーバーは、x86プロセッサーを搭載していることから「x86サーバー」と呼ばれている。
サーバーの種類にはこのほか、より高い性能を持つ「UNIXサーバー」や「メインフレーム」があるが、x86サーバーはパソコンの基本設計を採用しているため価格が安い。
x86サーバーは近年、マイクロプロセッサーの性能向上に伴い普及が進んでおり、出荷金額はサーバー市場全体の50%以上を占めている。
しかしそれゆえに、利益率が低いと指摘されている。ウォールストリート・ジャーナルによると、プロセッサーの性能向上などで、企業はより少ないサーバーで業務を処理できるようになった。昨今はクラウドコンピューティングが普及し、購入台数が減っているという。