日本からベトナムへの投資がここ数年で加速している。

 先週、ベトナムにおける韓国企業の積極的な投資について書いた(「ベトナムで強烈なプレゼンスを発揮する韓国」)。一方、ここ数年の勢いでは日本も負けていない。

活況を呈する日本ブランド

(出所:ベトナム政府統計局)

 2013年の日本からベトナムへの投資額は57億4800万ドル。大型投資としては、出光興産によるギソン精油所の開発、医療機器大手テルモによる血液製剤パック工場などがある。

 日系企業からの投資の目的も、ここ最近は、かなり様変わりしている。

 過去は、ベトナムの低賃金をベースとした輸出向けの工場投資が中心だった。最近は、輸出拠点としての投資もあるが、むしろ、ベトナム国内の9000万人の内需を狙う投資が目立ちつつある。

 日本の消費者に馴染みのあるところでは、ユニ・チャーム、サッポロビール、日清食品、ハウス食品などが続々と工場を設立したり現地企業を買収。ここ数年で、ベトナム内需向けの本格的な現地生産・販売に参入した。

2011年に竣工したサッポロビールのベトナム工場)(同社ホームページより)

 これまで、ベトナムの人々に広く認識されている日本の食品・消費財メーカーといえば、味の素、エースコックが両横綱だった。

 ベトナムではバイクのことをホンダと呼ぶほどホンダが普及している。一方、味の素のうまみ調味料(いわゆる「味の素」)も、「アジ」と固有名詞で呼ばれるほど、ベトナムでは生活の一部に浸透している。

 ベトナムはフォーという米粉の麺が有名だが、「アジ」の入っていない屋台のフォーはほぼ存在しないと言ってよい。

 また、エースコックは即席麺市場のシェア5割を握る現地の代表的な企業に成長しており、もはやベトナム人の間では日系企業だと認識されていないほどの浸透ぶりだ(ちなみに、ベトナムの即席麺消費量は年間50億食、単純計算で、人口1人当たり年間55食食べるという巨大市場だ)。

 この両横綱に、最近進出した日系企業のブランドが加わり、消費財市場は日系ブランドが活況を呈しつつある。