今回は、今までとは少し毛色の違う話をしたい。展示会についてである。

 7月7~9日の3日間、東京国際フォーラムで開催された「ヒューマンキャピタル2010」(日経BP社主催)に参加した。企業の人材・組織戦略に関わる商品、サービスを一堂に展示する専門イベントである。来場するのは、主に企業の人事部門や教育研修部門の方々だ。

 当社のような独立系企業で、独自にソフトウエアやASP(Application Service Provider Service)を提供し、ブースまで出しているところは1社だけだったようだ。当社はブースで商品を展示するだけではなく、セミナーや講演も開催した。

 手前味噌であるが、「会社で心を病むということ 2010」(増え続けるストレス疾患を早期発見・早期介入・早期回復する手法とは?)と題した私の講演には、定員150名のところ280名もの方々に聴講していただいた。

 もう1つの講演「会社でできる最善のメンタルヘルス予防対策」(人事部が会社を救う)では、定員80名のところ170名の方々に来ていただいた。両方とも立ち見の方々が大勢いて、大盛況であった。メンタルケアに対する関心の高さがうかがえる。

 ただし、会場全体として見ると、教育、研修、eラーニング関連の出展企業が増える一方で、メンタルヘルス分野の出展企業は減っていたようだ。

 また、今回の展示会の特徴として、大手のERPソフトベンダーが出展規模を縮小して、以前よりもパワーダウンしていたようである。あのSAPもブースを大幅に縮小して、精彩を欠くものであった。

展示会で分かる日本のITの歴史

 私がIT業界の展示会に初めて参加したのは1991年だから19年も前のことである。東京・池袋にあるサンシャインシティの展示ホールで「第1回 CASEジャパン」(リード エグジビション ジャパン主催)という展示会が開催された。今でもその時の様子は昨日のことのように覚えている。

 CASEとは、ソフトの開発や保守を支援するツール群を指す。その後、CASEジャパンは「ソフトウェア開発環境展」と名称を変えた。

 96年から、「データウェアハウス&CRM EXPO」が同時開催されるようになった。さらに、2年後の98年には「組込みシステム開発技術展」が、そして99年から「データストレージEXPO」が加わるようになった。