12月3日、韓国の情報機関・国家情報院が、「北朝鮮の張成沢(チャン・ソンテク)・国防副委員長(党行政部長)が失脚した可能性が高い」ことを明らかにし、北朝鮮ウォッチャーを驚かせた。張成沢は金正恩(キム・ジョンウン)第一書記の叔母の婿にあたる人物で、金王朝ロイヤルファミリーの一員として、突出した政権ナンバー2のポジションにあったからである。

 北朝鮮側から一切の公式発表はなく、現地点ではその真偽は断定できないが、朝鮮中央テレビは7日、張成沢の出演場面をカットした記録映画を再放送した。彼の失脚はおそらく事実と見ていいだろう。韓国の統一部、国防部、国家情報院などによれば、韓国が掴んだのは以下のような情報だ。

 「9月中・下旬頃から張成沢失脚情報があった」

 「11月下旬に、張成沢の側近である李龍河(リ・ヨンハ)行政部第1部長と張秀吉(チャン・スギル)副部長が公開処刑され、そのことが内部で通知された」

 「彼らの罪状は汚職などの不正行為・反党活動で、処刑は国家安全保衛部や党組織指導部などが主導し、金正恩の裁可で行われた模様」

 「張成沢の消息は不明だが、すべての役職から解任され、失脚した可能性が極めて高い。自宅軟禁状態で国家安全保衛部の取り調べを受けているとの情報もある」

 「張成沢の関係者に対する粛清が進められている模様」

 「張成沢の義兄である全英鎮(チョン・ヨンジン)駐キューバ大使、張成沢の甥の張勇哲(チャン・ヨンチョル)駐マレーシア大使も北朝鮮に召還された」

 「党行政部は機能が無力化したか、解体された可能性がある」

 「現在、金正恩への忠誠を強調する思想教育が強化されている」