中国が日本をはじめとする関係諸国との事前協議なしに防空識別圏を設定したことに対して日本の多くのマスコミは大騒ぎをした。

 そして、アメリカがB52爆撃機に中国防空識別圏内を飛行させると「アメリカが日本の肩を持った」「日米同盟が強化された」「日米連携して中国を沈黙させた」といった類のお決まりの日本に都合が良い解釈が垂れ流された。

 しかしこうしたマスコミの報道は、中国による防空識別圏設定事件の本質を伝えていないように思える。

中国防空識別圏が世界で反発される原因

 そもそも防空識別圏という概念はアメリカで誕生し、現在アメリカは4つの防空識別圏(アメリカ本土防空識別圏、アラスカ防空識別圏、ハワイ防空識別圏、グアム防空識別圏)を設定している。

アメリカとカナダが設定した「本土」防空識別圏(シェードの空域)
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ハワイ防空識別圏(外側の囲みと内側の囲みの間の空域)
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