マット安川 JBpressの連載でもおなじみの元空将・織田邦男さんを迎え、世界の諜報活動や秘密保護法案の実態まで、幅広くお聞きしました。中でもオスプレイの事実については、日本のメディアの在り方が心配になります。

オスプレイ危険論には科学的根拠がない

「マット安川のずばり勝負」ゲスト:織田邦男/前田せいめい撮影織田 邦男(おりた・くにお)氏
元・空将。1974年、防衛大学校卒業、航空自衛隊入隊、F4戦闘機パイロットなどを経て83年、米国の空軍大学へ留学。90年、第301飛行隊長、92年米スタンフォード大学客員研究員、99年第6航空団司令などを経て、2005年空将、2006年航空支援集団司令官(イラク派遣航空部指揮官)、2009年に航空自衛隊退職。(撮影:前田せいめい、以下同)

織田 防衛装備の最新情報を得るためにアメリカに行ってきました。一番面白かったのは、テキサス州にあるオスプレイの会社です。そこで性能を確かめ、テストパイロットの話を聞いて、いかに日本のメディアが間違っているかがよく分かりました。

 5000時間ぐらいオスプレイに乗っているというテストパイロットの、「生涯乗ってきたヘリコプターの中で一番安全だ」という言葉が印象に残っています。

 オスプレイには危険なイメージがすっかり定着していますが、そこには何の根拠もありません。今回、台風で被災したフィリピンに一番最初に到着したのはオスプレイです。普天間からフィリピンのクラーク空軍基地まで、1500kmをダイレクトに飛べますからね。

 アメリカでは大統領の専用ヘリコプターをオスプレイに替えようとしています。そんなに危ないのなら、ワシントンの市街地で大統領を乗せて飛ばすはずがないでしょう。

 にもかかわらず危険性ばかりが喧伝されている理由は、これが沖縄に配備されて困るのはだれかを考えれば自ずと分かるのではないでしょうか。

 今配備されているCH-46では尖閣まで往復できませんが、オスプレイなら24名を乗せて楽々往復できます。メディアがオスプレイ危険論をばらまいているのは、そうなったら一番困る「かの国」が仕掛けている心理戦、世論戦に負けた結果ではないかと思うのです。

中国は莫大な資金を投入して心理戦、世論戦を戦っている

 中国は対外プロパガンダのために9000億円を費やしています。アメリカに行って驚いたんですが、親中の報道をするテレビ局を1つつくってるんですね。

 アメリカの世論に影響を与えるシンクタンクにも莫大な金を出している。彼らとしては公正中立な意見としてリポートなどを発表するわけですが、心理的にスポンサーのことをそう悪く書けません。どうしても親中的な論調になります。

 私たち日本人は尖閣を、当然日本のものだと思っていますが、アメリカ人もそうだと思ったら大間違いです。そもそも尖閣のことなんか一般の国民のほとんどは知りませんが、多くは中国に理があると思っています。これも中国によるプロパガンダの影響でしょう。