2013年9月24日の夜、半導体業界に激震が走った。半導体製造装置の売上高で世界1位の米アプライドマテリアルズと同3位の東京エレクトロンが、2014年後半に経営統合することを発表したからだ。
私は、東京エレクトロンに在籍している知人から電話をもらってこのニュースを知ったのだが、にわかには信じがたい思いがした。その知人もその日まで経営統合のことは知らされておらず、「寝耳に水」と驚いていた。
私を含め関係者が驚く理由は何かというと、売上高1位と3位による巨大企業の誕生、海を越えた米国と日本の統合、両社の長年にわたるライバル関係ということもあるが、そのようなことよりも、両社のカラーがあまりにも異なることにある。
したがって、一報を聞いて驚愕した後には、この統合会社がどうなるのだろうか、果たして両社のCEOが主張しているようなシナジー効果を生むことができるのか疑問を持たずにはおれなかった。さらに、アプライド1万45226人と東京エレクトロン1万2201人をどのように統合するのかを考えると、眩暈がした。
それから2日経って、私は今この原稿を執筆しているが、少し冷静になって両社の分析を行い、統合会社をつくるに至った背景には何があるか、この会社が将来どうなるかを考えてみたいと思う。
売上高から見た統合会社
図1に、トップ10付近にランキングされる製造装置メーカーの売上高の推移を示す。アプライドは1992年に、それまで1位だった東京エレクトロンを抜いて首位に立った。その後、アプライド1位、東京エレクトロン2位の時代が15年ほど続いた。