前回の「単機能のマーケティングでは社会の変化に追いつけない」に引き続き、製品の市場化に悩む中小企業をサポートするためマネジメントマーケティングとは何かをお伝えする。

中小企業の経営革新に大切なのは「市場の視点」

 経営資源(人材・資金等)に限りのある中小企業・ベンチャー企業の経営を革新するためのポイントはどこにあるだろうか。

 それは、「企業戦略方向の検証」「推進課題の抽出」「実行計画の策定および実行成果の抽出」を段階ごとに行うことである。さらに、マネジメントマーケティング戦略を考える上でもっとも大切なことは、マーケットを科学する目、つまり、「市場の視点」を大切にすることである。

 例えばマーケティングリサーチに取り組む際の考え方を変えるべきである。

 リサーチをやるべき人材は、セールスパーソンなどマーケット(顧客)に近い者である。そうした者が考え、仮説を立て、リサーチしたうえで、その調査結果をマーケティングの専門家が集約、整理すべきである。

 さらに、リサーチの結果はセールスパーソンが「市場の視点」を持ち、自らの「目」と「耳」で検証すべきである。これは、マーケティングリサーチの基本スタンスとなるべきものである。

 すなわち、中小企業が事業を成功させるのに肝要なのは、「研究開発」を行うとともに、「市場の視点」をいかに重視するかである。

 そのための人材育成事業の取り組みに、市場の視点から考えるマネジメントマーケティングを取り入れることを提案したい。

経営者にこそ必要なマーケティングへの理解

 すべての事業活動はP(Plan)、D(Do)、C(Check)、A(Action)から出発する。筆者が代表を務める団体では、このPDCAサイクルを基本に上記目的の解決策を見いだすため、従来の枠組みや手法にとらわれない活動を行っている。

 それは、より実践的な「マネジメントマーケティング戦略」の事業化支援モデルによる展開である。