インスタグラム、「広告目的で写真使用」?規約改定に猛反発

すべての発端はインスタグラム上に作られた1つのアカウントだった〔AFPBB News

 6月25日、スウェーデンで「インスタグラム裁判」と呼ばれる裁判の判決が出された。

 「インスタグラム(Instagram)」というのは、 「iPhone(アイフォーン)」や「Android(アンドロイド)」端末で写真を撮影し、広く共有できるスマートフォンアプリだ。写真に特化したSNSで、無料でダウンロードできる。

 事件の発端は、スウェーデンの第2都市ヨテボリに住む女子高生2人が、このインスタグラム上に「奔放なセックスライフを送っている」とされる同年代の男女の写真を投稿・共有するアカウントを作成したことだ。

 これが大きな波紋を呼び、アカウントが稼働した翌日に暴動が発生、数十人の高校生が逮捕される騒ぎとなった。

 この「黒幕」としてアカウントを作成した2人の少女が起訴され、ヨテボリ地方裁判所での約3週間にわたる公判の後、「すべてのケースにおいて深刻にプライバシーに立ち入る性質を持つもの」であり、「重大な名誉毀損に当たる」とされて有罪判決を受けた。

 2人のうち、15歳の少女は少年院に収監されることが決定し、これを幇助したとされる16歳の少女は45時間の「社会奉仕サービス」労働を義務付けられた。さらに2人は被害者に対し、損害賠償を支払うことが命じられた。賠償額は38人の原告に対し1万5000クローナ(約22万2000円)ずつ、総額で57万クローナ(約844万円)に上る。

事件の経緯 

 暴動の舞台となった高校は、私が勤める高校から歩いてわずか7~8分の距離だ。なので私を含め、教室の生徒たちもこの事件の成り行きには注目していた。

 生徒たちから聞いた情報とメディア報道を総合すると、この数カ月間に起きたことは以下の経緯をたどっている。

 昨年12月に少女たちが作成したインスタグラム上のアカウント「Gbgsorroz」がアクティブになり、彼女らは仲間うちで「ふしだら」と噂されていた何人かの写真を軽蔑的な中傷メッセージとともに掲載した。

 その後、「奔放なセックスライフを送る若い男女」の写真を投稿するよう広く呼びかけた。すると、たちまち200人ほどの若者の写真がメッセージ付きで送られ、閲覧したフォロワーの数はあっという間に8000人を記録した。もちろん、投稿者は自分の身近にいる「奔放なセックスライフを送っている」と勝手に想像する人の写真を、本人には無断で投稿したわけだ。

 その後、このアカウントを作成したのは市内のプルス高校の生徒であるといううわさが広まり、恐れをなした少女は自分への非難をそらすために、写真を投稿してきた者の名前を公表した。