サムスン電子の最新型スマートフォンの販売先行きに不安――。こうした内容の証券会社のリポートが出たとたんに、最高値をうかがっていたサムスン電子の株価が急落した。時価総額で上場企業全体の20%を占める巨人企業の株価異変に、総合株価指数(KOSPI)も下落することになり、サムスン電子の大きさを改めて示すことになった。

 2013年6月11日、韓国の証券市場でサムスン電子の株価は前日比3万6000ウォン(1円=11ウォン)下落して138万9000ウォンになった。下げ幅は2.5%。サムスン電子の株価が140万ウォンを下回ったのは1月28日以来のことだ。

JPモルガンのリポート契機、1週間で時価総額22兆ウォン吹き飛ぶ

 この日の終値ベースの時価総額は204兆5980億ウォン。6月4日の終値ベースと比べると、わずか1週間で時価総額が22兆ウォン以上も「蒸発」したことになる。

 ことの発端は2013年6月7日金曜日に明らかになった大手証券会社JPモルガンのリポートだ。

 韓国メディアによると、「最新型スマートフォン『ギャラクシーS4』の販売鈍化の速度が『ギャラクシー3』よりも速い」としてサムスン電子の目標株価を210万ウォンから190万ウォンに引き下げたという。

 これをきっかけにこの日だけで、サムスン電子の株価が6%急落した。業績絶好調のサムスン電子の株価が急落したのは、米アップルとの知的財産権訴訟(の1つ)で負けた2012年8月の7.5%に次ぐことだった。

 結局、この日、サムスン電子の株価は前営業日と比べ9万4000ウォン安の142万7000ウォンで取引を終えた。この日1日で時価総額が14兆ウォン以上も減少した。

 このリポートは、2013年のギャラクシーS4の販売台数も7900万台から5900万台に下方修正し、7~9月期以降営業利益が伸び悩むとしている。

 サムスン電子だけではなく、スマホ関連の部品・材料メーカーなどの株価も急落した。それだけではなく、サムスン電子株が急落したことで、総合株価指数も1.8%下落し、1923ポイントとなった。