バンクーバー新報 2013年4月4日14号

 エドモントンの冷たい川で溺れかけた2人の姉妹を、近くを通りかかった男性とその飼い犬が力を合わせて救い上げ、その勇気が称えられている。

 姉妹の父親コーリー・サンシャインさんは、「アダム・ショーさんと彼の犬に感謝申し上げます。おかげさまで娘たちは元気で健康です。ショーさんは本当に私たちの天使です」とお礼の言葉を述べた。

 先月31日午後4時半ごろ、クリムゼンちゃん(10)とサマラちゃん(9)は友だちとランドル公園でソリ遊びをしていた。家族は家でイースター・ディナーの準備をしていたという。

 サンシャインさんが子供から聞いた話では、遊んでいたソリの一つが雪の小山から凍った川の上に滑り落ちた。戻ろうとしたとき、氷が割れたという。

 ショーさんによると、そのころショーさん(27)は家族(妻と2人の子供)と犬と一緒にランドル公園の歩道橋の上を歩いていた。歩道橋の下で叫び声が聞こえたので下をのぞきこむと、川に落ちた女の子をもう1人の女の子が助けようとしていたところだった。

 妻のケルシーさんは911に電話をし、ショーさんと犬のロッキー(ハスキーとラブラドール・レトリバーの混血)は川の方へ降りていった。

 現場に着くと、妹のサマラちゃんを助けようとしていたクリムゼンちゃんも川に落ちていた。ショーさんはクリムゼンちゃんを水から引き上げたが、サマラちゃんは流されていった。「氷のほうに泳いで来れる?」と聞くと「腕も足も動かない」とサマラちゃん。ロッキーの綱を投げてみたが届かなかった。

 ショーさんとロッキーはサマラちゃんの方に近づこうとして足をすべらして水の中に落ちたが、なんとか氷の上に這い上がることができた。ショーさんはこのとき、「自分も危ない。犠牲にならないために自分も気をつけなくてはならない」と思ったという。

 そうこうしているうち、サマラちゃんの姿が見えなくなり、気が付くと50~60メートル先の水面に姿を現した。ショーさんは追いかけたが、綱が届かない距離にいたため、ロッキーを川に飛び込ませることを思いついた。

 ロッキーは泳いでサマラちゃんに近づき、サマラちゃんはようやくロッキーの綱をつかむことができた。ロッキーは岸のほうへ泳ぎ着き、ショーさんはサマラちゃんとロッキーを引き上げることに成功した。

 その直後に消防士が救助用のボートをもって現場に到着した。サマラちゃんは低体温症になっており、姉妹ともアルバータ大学の病院に運ばれ、一晩を病院で過ごした。今は2人とも回復している。

 ケルシーさんは、夫のことをとても誇りに思っているが、驚いていないと話した。「彼は助けを必要としている人をそのままにしてはおかない、勇敢な人です」と称えた。

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