米インテルに続き米マイクロソフトも1~3月期の決算を発表したが、こちらも低迷するパソコン市場を反映した結果となった。

 ウィンドウズの実質売上高はゼロ成長

 マイクロソフトのウィンドウズ部門の売上高は57億300万ドルで1年前から23%増加した。だが、これは以前販売したアップグレードプログラムや、パソコンメーカーなどへの先行販売で既に得ていた収入を繰り延べて1~3月期に計上した結果だ。こうした繰延収入を除いた実質ベースの売上高は46億1800万ドルとなり、1年前から微減する。

 昨年10月に市場投入したウィンドウズ8は出足が鈍いと指摘されていたが、この1~3月期になっても芳しくなく同社の業績に影響を及ぼしたようだ。

米マイクロソフト、ウィンドウズ8とタブレット端末サーフェスを発売

「ウィンドウズ8」はむしろ、パソコン市場を減速させた可能性があるという〔AFPBB News

 それもそのはず、この1~3月期の世界パソコン出荷台数は1年前の同じ時期から13.9%減少しており、この市場調査を行った米IDCが統計を取り始めた1994年以降最大の落ち込みとなった。

 IDCのアナリストも、「ウィンドウズ8はパソコンの需要拡大につながらなかっただけでなく、むしろ市場を減速させてしまった可能性がある」と指摘するなど、ウィンドウズ8は苦戦しているようだ。

 こうした状況を打開するため、マイクロソフトはウィンドウズ8のアップデートを急いだり、タッチスクリーン機能付きパソコンに搭載されるウィンドウズ8のメーカー向け価格を下げたりしていると伝えられているが、その結果が出るのはまだしばらく先になりそうだ。

サーバー、オフィス、エンタメはいずれも増収

 そんなマイクロソフトの今の状況を救っているのがウィンドウズ以外の事業と言えそうだ。例えば、同社の主力3部門の1つであるサーバー向け製品を扱う「サーバーおよびツール関連事業部門」の1~3月期の売上高は50億3900万ドルとなり、1年前から11%増加した。

 もう1つの主力部門である、業務用ソフト「オフィス」を抱える「ビジネス部門」の売上高は63億1900万ドルで同8%増。1~3月期はオフィスの収益にも繰延収入が含まれていたが、その金額は1億9300万ドルと、ウィンドウズの10億8500万ドルに比べると規模は小さく、これを除いた場合でも前年同期比伸び率は5%を維持する。