4月14日放送の『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)では、中山氏が北朝鮮のミサイル発射準備について解説したほか、硫黄島の遺骨収容やネット上の発言に関する問題などについて語った。

北朝鮮への影響力行使の核となる中国は信頼に値するのか

中山 北朝鮮によるミサイル発射が懸念され、国際社会の緊張が高まっています。
私は先週、東京・市ヶ谷の防衛省内に設置された地対空誘導弾(PAC3)を視察してきました。防衛省では航空自衛官たちが24時間交代制で守りを固め、迎撃準備を進めています。何らかの事態が発生した場合には、速やかな対応が取られることでしょう。

米国、北朝鮮に「対話の用意ある」と呼びかけ

4月15日、都内・首相官邸を後にする際に親指を立てるジェスチャーをするジョン・ケリー米国務長官(中央)〔AFPBB News

 また、岸田(文雄)外相と小野寺(五典)防衛相が防衛省で会談し、小野寺防衛相が「日米の外交ルートで意思疎通していくことが大切だ」と述べましたが、私もその通りだと思います。

 北朝鮮にミサイル発射を踏みとどまらせるには、国連加盟国が一体となって対話の働きかけをする一方で圧力をかけていくことが重要ではないでしょうか。その時に鍵になるのが中国の存在です。

 中国に対し、どうやって働きかけをさせるかが問題ですが、正直言って、私は中国が本当に信頼に値する国なのか疑問です。おそらく、自らが中心となって外交交渉を進める米国も、その点は十分に理解しているはず。

 ですから、あくまでも中国とは距離を置きつつ、日米韓という政治的イデオロギーや法的価値観などを共有しあえる国同士が同盟関係を深め、北朝鮮包囲網を形成すべきだと思います。

 北朝鮮にしてみれば、米国デンバーまで届く射程1万キロ以上のミサイルを外交カードとして使い、脅しによって米国を直接交渉に引きずり出そうとしている。これに対し米国は「直接交渉はしない」という姿勢を貫いています。

 瀬戸際外交を続ける北朝鮮ですが、中には政府のやり方に疑問を抱くエリートや優秀な人間もいるはずです。今後そうした勢力から様々な情報を引き出せるくらいに金正恩体制が揺らぎ、外交的にソフトランディングを果たすことが理想ですが、なかなかそうもいかないのも現実です。

 いずれにせよ、最悪のシナリオはミサイルを発射させてしまうこと。それを回避するためにも、政府は日朝国交正常化交渉を進めることも必要です。そしてその実現には、やはり拉致・核・ミサイルの包括的な解決が大前提になります。

 外交はメッセージです。いかに相手に納得させて、矛を収めさせることができるかが今後問われると思います。